【ドライバーズシートを選びたくなる】BMW 730Ldへ試乗 3.0L直6ディーゼル
公開 : 2020.03.02 10:20
洗練性を増した直列6気筒ディーゼルエンジン。BMWのフラッグシップモデルとなるラグジュアリーなサルーンとの相性にも優れると、英国編集部は評価します。英国では4割の台数を稼ぐロングホイールベース版を確かめました。
インテリアの豪奢さはクラス随一
マイナーチェンジを受けたBMW 7シリーズのエントリーグレードとなる730d。フラッグシップモデルとして多くの手が加えられ、先代では得ることができなかった新次元のラグジュアリーさを獲得している。
この730Ldは、直列6気筒ガソリンの740iとV型8気筒ガソリンの750iより下に位置するモデル。驚くほど大型化されたキドニーグリルの後ろには、3.0Lの直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載している。
新しいBMW 7シリーズのスタイリングは、欧州でも意見を二分している。しかし今や、7シリーズの販売台数の40%を稼ぐのは中国市場。焦点をあわせるべきは中国ということだろう。
他の自動車ブランドも、中国市場の人々を幸せにしたいと考えている。デザインは今後、BMWと同様の流れになるのかもしれない。
今回試乗する730Ldは、英国では40%ほどの販売台数を稼ぐであろう、ロングホイールベース版。後輪駆動でアダプティブ・エアサスペンションが標準装備となる。
オプションのエグゼクティブ・ドライブ・プロ・パッケージに採用されるインテグラル・アクティブステアリングと、アクティブ・アンチロールバーは備わっていない。ダイナミクス性能に大きな影響を与える部分だ。
スパリゾートのように優雅に過ごせる後席
BMWが与えた大きな変更箇所の1つが、リアシートのコンフォート・パッケージがオプションで選べるようになったところ。インテリアの質感も大きく向上しており、クラス・ベストといえる空間に仕立ててある。
タイヤが4本付いた、レザー張りの豪華なビジネスラウンジ。フロントドアを開くか、リアドアを開くかで、印象は結構違う。
フロントドアを開けば、BMWらしくも、より豪奢なダッシュボードが前方に伸びる。ドライバーの正面には、新しい3シリーズやX5、トップレンジの8シリーズにも採用されるデジタルメーターが備わるが、自宅のように落ち着いた雰囲気がある。
デジタルメーターのカスタマイズは、アウディMMIほど簡単ではない。6角形を半分にしたような、角のあるメーターは少々見慣れない印象。
インフォテイメント・システムは、タッチモニターだけでなく、扱いやすいiドライブコントローラーでの操作も可能で、歓迎できる。アップル・カープレイにも対応する。
標準ホイールベース版もロングホイールベース版も、マイナーチェンジ後は全長が23mm伸ばされた。ロングホイールベース版のリアシート空間は広大だ。
リアシートにもヒーターが内蔵され、リクライニングも可能。マッサージ機能のオプションも付ければ、スパリゾートで優雅に過ごすかのよう。フロントシート背面には個々のインフォテイメント用モニターが備わり、ナビゲーションや音楽などを楽しめる。