【新型コロナウイルス影響】F1新レギュレーション導入、2022年に延期 費用負担の緩和が目的
公開 : 2020.03.23 10:00
新型肺炎の感染拡大に伴い、F1の新技術規則の導入時期が延期されました。参戦チームの費用負担を和らげることを目的としているそうです。一部のF1チームが、新型肺炎治療のための、人工呼吸器を製造する可能性もあるそうです。
新しいテクニカルルールの導入延期
新型コロナウイルスの世界的な大流行に伴う混乱により、フォーミュラ1の、新しいテクニカルルールの導入時期が、当初の2021年から2022年に延期された。
F1の幹部、参加チーム、およびFIA(国際自動車連盟)は、3月19日電話会議にて全会一致でこの遅延に同意した。
2020年序盤の7つのレース(オーストラリア、バーレーン、ベトナム、中国、オランダ、スペイン、モナコ)は、すでに延期または中止が決定している。
これにより、6月7日に予定されているアゼルバイジャン・グランプリが、シーズン開幕戦となる。
F1の責任者は、シーズントータルで18から19レースの開催を期待しているものの、現在のところ予定されているのは15レースのみとなっている。
より白熱したレース展開とするために、新しい規制では、V6ハイブリッドパワートレイン以外の、シャシーデザインの完全なオーバーホールが義務付けられている。
この規制の遅延は、2020年シーズンのF1に参戦する10チームに与える、費用面での負担を和らげることを目的としている。
これにより、シャシーの重要なエレメントの開発は、2021年まで「凍結」される。
FIAの声明
FIAは声明にて「2020年チャンピオンシップの現状、および新型コロナウイルスの大流行により引き起こされた課題への対応について、関係者が協議を行いました」と述べている。
「現在の不安定な財政状況により、チームは2021年に2020年型シャシーを使用することで合意しました。さらなるコンポーネントの凍結の可能性については、後日議論される予定です」
「財政規則の導入と実施は、予定どおり2021年に進められます。FIA、F1および全チームで、大幅なコスト削減の達成方法について議論が続けられます」
「すべてのチームは、新型コロナウイルスによる世界的状況が変化し続ける中、2020年のスケジュールを再編するための、継続的な取り組みに関して、FIAとF1への支持を表明しました」
「これらのコミットメントはすべて、最終承認のために関連運営機構に委ねられます」と語っている。
人工呼吸器製造の可能性も
また、F1の主催者は、通常の協議プロセスを飛び越えて、チームと連携し、タイムリーなスケジュール変更を行い、レースの数を保つよう努力することで合意している。
レースウィークエンドは、3日間から2日間に短縮される可能性があるが、F1モータースポーツのボスであるロス・ブラウンは、ダブルヘッダーイベントを開催する可能性も示唆している。
当初予定されていた、8月のハンガリーとベルギーのグランプリの間の夏休みは、シーズン開始前への前倒しが、今週の初めに既に決定されていた。
一方で、いくつかのF1チームが、新型肺炎に感染した人々を治療するための、人工呼吸器を製造する可能性に向けて、政府と協力していることが発表されている。
英国政府はこの可能性について、最近約60社の英国企業と話し合いを行っていると発表している。
F1のスポークスマンは、BBCに対し「F1コミュニティは、多くの関係者との議論を行っています。今後詳細を提供します」と語っている。