【まだ1年程度「待ち」】ジムニー発売開始から1年半 それでも納期1年程度が続くワケ
公開 : 2020.04.03 09:20
新型ジムニー。発売開始から1年半が過ぎました。それでも、新車の納期は1年近いといいます。何が原因か。ジムニー・シエラ/海外市場の受け入れ方/新型ハスラーとの関係をもとに桃田健史が調べました。
ジムニー、いつになっても納期は1年程度?
大人気の新型ジムニー。ディーラー関係者は、新車の納期は1年近いという。
いったい、どうなっているのだろうか?
何が原因なのだろうか?
需要が多いとはいえ、発売開始はいま(2020年4月上旬)から1年半前の2018年7月だ。
人気車の場合、予約販売や初期受注が多く、発売して数か月は納期が長くなることはある。だが、ジムニーのケースは日本車では極めて稀だ。
ここへきて、さらに納期が延びる可能性が出てきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響である。
海外からの部品調達が課題となり、スズキは4月1日から3日まで、日本国内の全工場(湖西工場/磐田工場/相良工場/大須賀工場/浜松工場)の操業を停止した。
ジムニーは湖西(こさい)工場で生産されているが、週明けの4月6日から17日までの湖西工場は4月9日、10日、17日で稼働を停止する。
その後も、新型コロナウイルス感染の状況を見て、工場の稼働状況を考慮するという。
仮に、非常事態宣言となれば、スズキだけではなく自動車メーカー全社の生産体制に多大な影響が及ぶ。
ただでさえ、長い納期を承知の上でジムニー購入を決めたユーザーにとっては、先行きが不安になってしまう状況だ。
それにしても……。どうしてジムニーの納期はこんなに長いのだろうか?
まずは、スズキ広報部に聞いた。
生産能力、立ち上げ期の1.5倍を維持しているが
スズキ広報部としては、正確な納期について公表はしていないという。理由は「色やグレードなどで納期が異なるため」としている。
生産台数を増やすため工場設備を拡充する、生産能力拡大を2019年1月から1.5倍としており、その状況が現在(2020年4月上旬)まで続いていることを明らかにした。
また、ジムニーについての届け出台数は、以下の通り。
2019年1月:2410台
2月:2934台
3月:3972台
4月:2613台
5月:2373台
6月:2287台
7月:2367台
8月:1916台
9月:3102台
10月:2172台
11月:1979台
12月:2157台
となり、2019年合計で3万282台だ。
2020年については、1月が2559台、2月が2336台となっている。
以前に、スズキ広報部からは2018年のジムニー届け出台数を提示してもらったことがある。
それによると、生産が立ち上がった2018年4月が789台。
発売月の月が5063台と瞬間的に一気に伸びた後、8月から12月は1800台程度で推移した。
4月から12月までの累積は1万6348台だった。
2018年7月の新車発表時点で、スズキは国内販売目標台数は年間で1万5000台と公表している。月あたり1250台となり、発売初年度から目標値の1.5倍近い受注に対応せざるを得なかったことになる。
そうした中で、2018年7月生産の5063台はかなり目立つ。
筆者の推測だが、湖西工場で扱う他モデルの一時的な生産調整を行い、初期の予約販売分に対応したと考えられる。