【初代の成功を再び掴めるか】日産ジューク(1) 日本未導入の2代目 長期テスト
公開 : 2020.04.26 11:50
日本でもヒットした初代日産ジュークですが、欧州では新しい2代目が登場しています。人気のコンパクト・クロスオーバー市場の中で、日産ジュークだけの個性とは何なのか、長期テストで確認していきます。
もくじ
ー初回 初代ジュークの成功を再び掴めるか
ージュークらしいデザインに上質さをプラス
ーエンジンは116psの1.0L 3気筒ターボ一択
ー最新日産ジュークとの英国での暮らし
ーセカンドオピニオン
ーテストデータ
初回 初代ジュークの成功を再び掴めるか
日産ジュークほど、世論を大きく二分するクルマも少ない。英国でも、大好きだという人もいれば、好まないという人もいる。
確かに万人受けするクルマではないとしても、日産は充分な成功を得た。2010年に斬新な初代ジュークを発表して以来、100万台以上を販売してきたのだから。
クロスオーバー人気の中で、英国の同クラスには現在21車種のライバルが存在する。日産は初代ジュークが遂げた成功を、再びトレースすることに期待を寄せている。事実、既に10万台という台数を販売しており、出だしは順調そうだ。
2代目ジュークの開発が始まった頃、デザイナーは初代ジュークからどれほどデザインを変化させるべきか、悩んだという。日産ヨーロッパのデザインを率いるマット・ウィーバーは、2019年末のインタビューでこう答えていた。
「(2代目ジュークの)開発初期段階のデザイン案の一部には、ジュークとは分からないようなアイデアも含まれていました。新しいジュークを、ジュークらしい(斬新な)デザインにするべきか悩んでいたんです」
「一方で、初期ジュークの改善内容をまとめた資料も手元にありました。進むべき方向は、そこにあると感じたのです」
果たして登場した2代目ジュークは、間違いなくジュークらしい。ヘッドライトの造形、Vモーション・グリル、クーペのような低いルーフラインなど、主要なデザイン要素が受け継がれている。
ジュークらしいデザインに上質さをプラス
初代の場合、見た目だけでなく、インテリアの品質や後部座席空間の広さも、悩みのタネだった。「デザイナーとして、スーパー・ダイナミックなクルマにしたいと考えました。さらに荷室やリアシートなど、利便性も高めたいとも考えていました」
「スポーティで軽快なルックスと、利便性とをバランスさせることを目指しました。インテリアの水準は向上したと思います。初代は遊び心に溢れていました。2代目では、高い素材の質感を与え、洗練性と熟成を加えています」 とウィーバーは話す。
新しい日産ジュークは、ルノー・日産・三菱アライアンスによるCMF-Bプラットフォームを用いている。ルノー・キャプチャーやクリオ(ルーテシア)も採用するものだ。
その結果、全長は初代から85mm伸びて4210mm、全幅は170mm広がり1800mmとなっている。一方の全高は30mm低くなり1595mm。ホイールベースは105mm伸ばされている。
日産によれば、リアシートの膝周り空間は58mmも広げられ、荷室空間も初代の354Lから422Lへと増えたという。こちらも日本未導入ながら、現行の日産キャシュカイより8L小さいだけだ。
シートは、新しいモノフォームと呼ばれるもので、仕立てはアルカンターラかレザーを選べる。プラスティック製パーツの質感も上がった。フォルクスワーゲン・グループの高品質な部品が用いられるスコダ・コディアックなどがライバルとなるから、プラスティックの上質化は必要な要素だ。