【開放感あるルーフに注意】フォルクスワーゲン・イオス 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.05.06 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
平均点以上のルックスと品質を備える、クーペ・カブリオレのフォルクスワーゲン・イオス。フォールディング・ハードトップには、サンルーフも付いています。信頼性は悪くないものの、注意点もいくつか存在するようです。
評判を集めたボディ剛性と開放的なルーフ
フォルクスワーゲン製ハッチバックから派生した、クーペ・カブリオレとなるイオス。当時のライバル、オペル・アストラやプジョー308、ルノー・メガーヌにも、似たクーペ・カブリオレが存在していた頃だ。
これらのモデルで、最も豪華版だったのが、このイオス。生産終了は2014年で、最近の価格は降下。英国では、700ポンド(9万円)の値段がついたイオスも見つかる。
ただし、そこまで安価なクルマは、フォールディング・ハードトップが正常に動くか、間違いなく確認した方が良いだろう。3万2100kmを走った2014年式が1万4000ポンド(189万円)で、英国では最高値だった。
ベースとするのはゴルフ5。生産から10年以上経つクルマにしては割高感もある。フェイスリフトを受けた2011年式の1.4TSIで、7500ポンド(101万円)くらいが妥当なところ。
フォルクスワーゲン・イオスが登場したのは2006年。広々とした2+2の車内に大きな荷室、優れたハンドリングで高い評判を集めた。荷室はルーフを開くと大部分を専有されてしまうが。
特に剛性の高いボディシェルと、スライド式のサンルーフを備えたフォールディング・ルーフは多くの称賛を得ている。英国ではエンジンのラインナップも豊富だった。
2006年から2011年に英国で選べたのは、114psの1.6FSIと149psの2.0FSI、199psの2.0T-FSIの4気筒。余裕の250psを発生する3.2LのV6エンジンも用意された。車重は軽くなく、114psは少々力不足だ。
ディーゼルエンジンは140psを発揮した2.0TDIのみ。このディーゼルは日本へは導入されていない。
新しいドライビング体験の夜明け
2011年にフェイスリフトを受け、エンジンも変更。トルクフルで140psを発揮する2.0TDIは残され、122psの1.4TSIと、160psのツインチャージャー版1.4TSI、ゴルフGTI譲りの210ps版2.0TSIが搭載された。最も乗りやすいのは160psだろう。
フェイスリフトに合わせて、ワッペングリルはスマートでシンプルなグリルへ変更。ボンネットやフェンダーもデザインが新しくなっている。日本では、後期型は未導入となっている。
テールライトも個性的だった丸目から、ゴルフのようにスリムで落ち着いた形状へと改められた。レザー内装には、太陽光を反射させ加熱や劣化を防ぐ、新しい加工が施されている。
英国では見た目が控えめな、2011年以降のディーゼルエンジン・モデルが人気。しかし、EU5規制に準じるエンジンで、英国の場合は排気ガスに対するペナルティを課せられる可能があり、車検時のテストも厳しい。
ガソリンモデルを選ぶ場合、初期型の1.6L FSIは避けたいところ。DSGのATを選ぶ場合、フェイスリフトに合わせてトランスミッションも改良を受けていることを覚えておきたい。前期型では、6万4000km毎にフルード交換が必要となる。
とにかく状態の良いイオスを見つけること。ギリシャ神話の、夜明けの女神を意味するイオス。オープン・カブリオレという、新しいドライビング体験の夜明けにも、なるかもしれない。