【なぜ、日本で売らない?】ダットサン日本上陸、絶対ナシとは言い切れないワケ
公開 : 2020.05.05 05:50
ダットサンが「redi-GO(=レディゴー)」を発表。4月29日にAUTOCARが報じて、多くのかたに読まれました。さて、ダットサンは今、どんな会社なのか。日本上陸の可能性は? 桃田健史が考えます。
ダットサンの新型車 ティザーが話題
ダットサンの新型車!?
今年(2020年)4月29日、AUTOCARが報じた。
近日中に発売されるクルマのデザイン・イメージを公開する、ティザーである。
ただ、このクルマは日本では発売予定ではないダットサン「redi-GO(=レディゴー)」
現行車のスペックは、全長3429mm×全幅1560mm×全高1541mm、ホイールベースが2348mmの5人乗り5ドアハッチバック。エンジンは、799ccで5速MT。
日本の軽自動車より少し大きなイメージだが、価格はインドの場合、ベース車が約34万円とかなり安い。
こうしたクルマは、Aセグメントに属する。日本でのコンパクトカー、フィットやヤリスよりワンランク小さい。
海外では軽自動車規定がないので、「レディゴー」のようなクルマが存在する。
ターゲット層は二輪車から四輪車への乗り換えようとする庶民である。「redi-GO」は、英語の「ready GO」を連想される造語。気軽にすぐに乗れる、という意味を込めている。
そんな海外のAセグメントがなぜ日本のネットで話題になるのか?
非常事態宣言下で、日本では自動車関連情報が不足していることもあり、最近ではこうした日本未発売の新車情報がネット上で目立つようになったからだ。
そもそも……、日本でいま「ダットサン=日産」をすぐにイメージできるひとは決して多くないはずだ。
ダットサンって、なんだ?
ダットサン=日産の連想 50代以上?
ダットサンについては、日産のホームページなどに詳しい。
起源は、日産自動車という企業体が誕生する前にあるとされ、高度経済成長期には日本、アメリカ、欧州、東南アジアで日産のブランドのひとつとして広まった。
日本では、ダットラこと、ダットサン・トラックとして馴染みがある方がいると思う。海外では、フェアレディZもダットサンである。
ちなみに、DATSUN(=レディゴー)を欧米人は、「ダッツン」と発音する場合が多い。
こうした初代ダットサンは80年中盤に、日産のブランド戦略を刷新するために廃止された。そのため、「ダットサン=日産」とイメージできるのは、現在50代以上の方ではないだろうか。
そんなダットサンを名乗るレディゴー。このダットサンと、初代ダットサンとは目的と性質がまったく違うブランドである。
新生ダットサンは2012年、経済発展が著しい新興国向けに特化したブランドとして誕生した。
日産の内田誠CEOが日産横浜本社で決算報告などを行う際、登壇ステージのバックには、日産と並んで、インフィニティとダットサンのロゴが描かれている。
高級ブランド(インフィニティ)、セールスボリュームが最も大きい主要ブランド(日産)、そして新興国向け低価格ブランド(ダットサン)という3本柱である。
新生ダットサンはどのようなプロセスで生まれたのか?