【なにが違う?】日産の新型EV「アリア」、リーフとは比べ物にならず 今の日産に最重要なワケ
公開 : 2020.05.08 05:50 更新 : 2021.06.04 11:13
今年(2020年)に発売予定の新型EV「アリア」は、リーフとは比べ物にならないほど、今の日産にとって最重要モデルだといいます。リーフとどう異なるのか? 技術面/ビジネスの面で桃田健史がお伝えします。
日産アリア、リーフとは段違いに重要
一般の方に対して、日産の思いがどれだけ届いているのだろうか?
今年(2020年)に発売予定の新型EV「アリア」は「たんなるEV」ではない。
はっきり言えば、「リーフ」とは比べ物にならないくらい、日産にとって極めて重要なモデルである。
第46回東京モーターショー(一般公開2019年10月24日から11月4日)でワールドプレミアされた、アリア・コンセプト。
公開されたスペックは、ボディサイズが全長4600mm×全幅1920mm×全高1630mm。
動力系は、車体の前後それぞれに1基の高出力電動モーターを搭載する、ツインモーター四輪制御システムを搭載する。
「GT-R」搭載のATTESA E-TSや、「エクストレイル」搭載のインテリジェント4×4による知見から開発した、と日産は説明した。
モーターショーと並行して、日産の実験施設「グランドライブ」(神奈川県横須賀市)で行われた先進技術説明会には、新規EVシステムを搭載したリーフベースの実験車両がメディアに公開された。
EM57と呼ぶモーターを2基搭載。最大出力227kw、最大トルク680Nmは、リーフのベースモデルの約2倍に当たる。
その走りは、ワインディング路やウエット路面でもとても安定していた。
2020年に入り、このツインモーターシステムは「e-4ORCE(イー・フォース)」と命名された。
こうした流れを見ると、アリアにはe-4ORCE搭載が確実な情勢だ。
経営面、日産は厳しい状況にある
一方、経営面では、日産は厳しい状況にある。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響だけではなく、企業として本質的な課題を抱えている。
直近では、2020年2月に開いた、第3四半期の決算発表で、内田誠CEOはゴーン体質の日産を企業文化を含めて根本から改革することを宣言した。
世界各市場における事業の「選択と集中」を進めるとも言った。
そうした中で、新技術を搭載する日産インテリジェントモビリティは、日産が着実に成長するための「将来を左右する事業改革の柱」だと強調した。
日産インテリジェントモビリティとは、
・電動化
・自動運転技術
・コネクティビティ
など新技術を高い次元で連動させる次世代車を指す。
その筆頭が、アリアである。
「これまでにない魅力ある走りを体験できる新型の電気自動車(アリア)を今年、(世界市場の中でまず)日本から投入からする」と内田CEOは言い切っている。
2月時点では、新型コロナウイルス拡大の影響は中国が主体だったが、3月以降は欧州、アメリカ、そして日本での感染拡大が広がり、他メーカー同様に日産の経営を圧迫している。
結果的に、日産にとってアリアの重要性はさらに大きくなったと言える。
こうしてアリアが登場できる背景には、当然、リーフの功績がある。