【あえて古くみせる】ナンバープレートのダメージ加工、法的に問題はない? 交換の基準や費用は

公開 : 2020.05.10 05:50  更新 : 2021.05.07 18:52

ナンバープレートを、クルマの雰囲気に合わせて、あえて古くみせる加工(=ウェザリング)は、法的に問題ないのでしょうか? 加藤久美子が国交省に聞いてみました。識別できないプレートの交換手順もお伝えします。

まずウェザリング加工とは何なのか?

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

ウェザリングやエイジングというカスタムの方法は、プラモデルやジオラマを作っている人にはなじみ深い言葉だろう。

いずれも、リアルな感じ、より本物っぽい感じを表すために、わざと汚したり、退色させたりする加工を施すことである。

退色したナンバープレートのイメージ。
退色したナンバープレートのイメージ。    shutterstock

クルマのナンバープレートにおいても、中古で購入した少し古いクルマのナンバープレートにウェザリングを行うオーナーも少なくない。

古いクルマ(特にこだわりのスポーツカーなど)に似合うよう、真新しいナンバープレートをそのクルマの時代や雰囲気に合わせて年季が入ったように見せるのである。

もちろん、「横浜35」「品川5」など昔の分類番号が付くナンバープレートが付けられるのならそれがベスト。

だが、日本のナンバープレートは4ケタの登録番号部分は希望ナンバーで選べても、分類番号の部分は選べない。

したがってナンバープレートにウェザリング加工を施すカスタムを行う、というわけだ。

ちなみに、ウェザリングの方法としては紙やすりなどで削ると削れ過ぎてしまうこともあるので、キッチン用のクレンザーまたはコンパウンド(微細?)などで少しずつ優しく削るのが良いようだ。

ところで、ナンバープレートのウェザリング加工、道路運送車両法的に問題ないのだろうか?

法律、2021年4月1日〜さらに厳しく

結論から言うと表示されたすべての文字が識別できるならウェザリングに法的な問題はない。

ナンバープレートの表示に関する法律は平成28年4月から段階的に厳しくなっており、現在は道路運送車両法第19条「自動車登録番号標の表示の義務」で、以下のように規定されている。

平成28年4月1日以降 、ナンバープレートをカバー等で被覆すること、 シール等を貼り付けること、回転させて表示すること、折り返すこと等が明確に禁止されている。
平成28年4月1日以降 、ナンバープレートをカバー等で被覆すること、 シール等を貼り付けること、回転させて表示すること、折り返すこと等が明確に禁止されている。    国土交通省/警察庁

「自動車は自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないこと」

「その他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない」

同様の内容が軽自動車および二輪の小型自動車では道路運送車両法第73条「車両番号標の表示の義務等」としてうたわれている。

また、これらの道路運送車両法に関わる「省令・告示の規定」として
・ナンバープレートの位置や角度(上下・左右)
・(おもに装飾のための)フレームに関し、見やすい位置と角度
・番号を(カバーなどで)被覆(隠したり覆ったり)しない
・回転を禁ずること
などが規定されているが、令和3年4月からは「上10°~下10°」(四輪前面)、「左5°~0°」(四輪後面)などさらに厳しい規定が全面適用となる。

ウェザリングに関わりそうな内容といえば「自動車登録番号の識別」の部分だが、「識別に支障が生じない」範囲ならば問題なさそうだ。

「意図的に」退色させた場合はどうか? 確実なところを国土交通省自動車局自動車情報課に聞いてみた。

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