【eニスモ、誕生は?】マスタング・マッハEのハイパフォーマンス推し 日産アリアは一方で……
公開 : 2020.05.16 05:50 更新 : 2021.03.05 18:51
フォードは、2020年後半に発売予定のマスタング「マッハE」のウインターテストの模様をネット公開。環境性能に目がいきがちなEVですが、はっきり「パフォーマンス推し」。いっぽう近いサイズの日産アリアは?
アグレッシブなフォードの新EV戦略
相手がそう出るのなら、ニスモの本気バージョン投入が本筋か?
フォードは5月8日、今年(2020年)後半に発売予定のマスタング「マッハE」のウインターテストの模様をネット上で公開した。
場所は、米ミシガン州北部にある冬季試験場だ。
総面積が東京ドーム約70個分の広大な森林地域で、マッハEの開発マネージャーであるロベルト・イオリオが豪快なドリフト走行を見せた。
映像から判断すると、直線速度はアメリカのフリーウエイでの実勢速度である時速70マイル(約112km/h)から時速80マイル(約128km/h)に見える。
直線路が氷路から圧雪路に変化しても、車両の動きにブレは生じていない。
コーナーリングスピードは時速50マイル(約80km/h)前後に見え、リアスライドしてもフルカウンターステア状態にはならず、絶妙なスリップアングルで、まるで上級なWRCラリーカーのような華麗な走りだ。
動画が公開された時期、アメリカでは多くの州で経済活動が段階的に緩和されたとはいえ、ニューヨーク市をはじめ未だに外出規制が続いている状況だ。
GMなど、他のメーカーが主に医療現場への支援に関するニュースを配信するなか、フォードのEV広報活動に違和感を持つ業界関係者がいるかもしれない。
着実に進むフォードの高性能EV戦略
フォードEV関連の盛り上げ企画といえば、AUTOCARでも報じたドラッグレーサー「コブラ・ジェット」がある。
フォードのアフター業務等を取り仕切るフォード・パフォーマンスがドラッグレース関係企業各社と連携して開発した。
最高出力1400ps以上でクオーターマイル(約400m)加速8秒前半を想定している。
コブラ・ジェットの使命は、EVのトラクションの良さ、それに伴う加速の良さである。
一方、今回公開されたウインターテストでの派手なドリフト走行は、滑りやすい路面でのトラクションの良さと、前後モーターによる車両バランスの良さを強調したものだ。
マッハEには、後輪駆動車とeAWDと呼ぶ四輪駆動車がある。バッテリーパックは75.7kwhと98.8kwhの2種類で、ライバルであるテスラ・モデルX等を意識した。
ウインターテストでの被写体は、75.7kwhバッテリー搭載のeAWDだと推測される。最高出力は332ps想定で最終調整しているという。
さらに、フォードは2021年を目途に、ポルシェ911 GTSと同等の加速性能を実現する、マッハE GTの投入を明らかにしている。
こうした状況を踏まえると、欧米市場ではマッハEと同じセグメントとなる日産アリアでも、リーフ・ニスモとは商品方向性が異なる、超ハイパフォーマンス系としてのニスモバージョン投入が必須ではないだろうか。