【パンデミックの打撃】FCA 7300億円の融資獲得のため交渉中 配当金も見送り
公開 : 2020.05.25 11:20
パンデミックによる、販売低下と株価下落に苦しむFCAが、邦貨にして7300億円の融資獲得のために動いていると、報じられています。同社はまた、株主への配当金支払いを見送るなど、経営維持のための努力を行っています。
もくじ
経営維持のための努力
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、イタリア政府保証の付いた63億ユーロ(7300億円)の与信枠確保のための交渉を行っていると、ブルームバーグが報じた。
同社は、FCAの支配的シェアを保有する、アニェッリ家の持ち株会社が所有する、国際再保険会社パートナー・リーの74億ポンド(9591億円)の売却計画が実現せず、 株主への配当金支払いを見送っている。
FCAとの提携で、世界第4位の自動車メーカーグループの設立を計画しているPSAグループも、2020年の配当を見送っている。
この決定により、10億ポンド(1300億円)弱を、日常業務費用にまわすことが可能となり、さらに、イタリア政府からの大規模な後押しを得るため、交渉が行われている。
パンデミックの影響
多くの自動車メーカーが、パンデミックにより大規模な経済停滞、または株価下落に苦しんでおり、英国における4月の自動車登録台数は97%減少している。
ヨーロッパでは、ロックダウン措置の緩和が始まっており、市場の回復が期待されている。
FCAは、伸び悩んでいる販売、人気モデルの低いマージン、マセラティやアルファロメオなど、プレミアムブランドの資金不足で、苦戦しているヨーロッパ市場を強化するため、PSAとの合併を模索してきた。
PSAの市場における専門知識と、進んだ電動化技術により、FCAがふたたびヨーロッパでの成功をおさめることが期待されている。