【チーフデザイナー語る】日産アリア・コンセプト 新しい電動SUV 今のデザインになった背景
公開 : 2020.05.20 12:00 更新 : 2021.06.04 11:13
日産の新しい電動SUVの詳細について話を聞く機会を得ました。広々としたインテリア空間を実現する新しいEVPプラットフォームと、空気の乱れを防ぐエアロダイナミクスが、アリアから引き継がれるそうです。
新しい電動SUV
日産アリア・コンセプトをベースとし、2022年までに欧州で発売されることが期待されている、新しい電動SUVの詳細について、チーフデザイナーから話を聞く機会を得た。
昨年末、東京モーターショーで披露されたアリアは、チーフデザイナーである、ジョバニー・アロバより「現実的な未来のビジョン」と紹介されている。
「夢を表現しただけのコンセプトカーではありません。近い将来、市場投入も可能だと考えています」とアロバは言う。
アロバは、キャシュカイとジュークを投入することにより、同社がクロスオーバーセグメントのパイオニアとなったと説明し、「わたし達は常に新しいセグメントを開拓しています。次は、美しく、機能的で、現実的な、電動クロスオーバーが必要です」と述べている。
新しいEVPプラットフォーム
ライバルに続いて、アリアのテールゲートには、ロゴではなく、全幅に渡りブランド名が付けられる。
アロバが「非常にシンプルでありながら象徴的」と表現する、水平のライトブレードに組み込まれる形となる。
もうすぐ生産モデルでも、見ることが出来るようになるだろう。
エアコンユニットを、センターコンソールからボンネットの下に移動することを可能とするなど、同社の新しいEVPプラットフォームの採用により、広々としたインテリア空間を実現している。
リーフからの劇的な進歩と言えるが、アロバは、生産モデルへの適用も不可能ではないだろうと語っている。
EVモデルの美しさを表現
デジタルインストゥルメントから、タッチスクリーンにつながるガラスパネルと、物理的なスイッチおよびタッチアイコンの両方が採用される。
「親しみやすさを大切にしています」と、アロバは述べている。
アリアは、日産の新しいデザインの方向性を示している。
「アリアのフロント・デザインは、わたし達の電動モデルのブランド・アイデンティティを示しています」とアロバは述べている。
「超薄型のLEDプロジェクターヘッドランプを搭載し、従来のグリルの代わりに、レーダーとカメラをパッケージ化したシールドを採用しています」
「EVモデルの美しさを表現したいと考えました。特定のデザインや、大きな差別化で、目を引こうとは考えていません」
従来のサイドミラーを採用か
「力強いプロポーションとスタンス」を持つデザインを目指し、アリアに装着された21インチホイールが、量産モデルに採用される可能性は低いが、エアロダイナミクスのデザインは、量産モデルに引き継がれる可能性が高い。
5本スポークのホイールの下にある、フライス加工された軽量のアロイと、エアロダイナミク・ブレードが、ホイールとボルトをシールドし、空気の乱れを防ぐ。
アウディeトロンやホンダeなどの最新EVモデルで使われているバックカメラよりも、従来のサイドミラーが採用される可能性が高いようだ。
「確実で現実的な技術を紹介したいと考えています。まだ、すべての地域で法規に合うテクノロジーとはなっていません」
「バックカメラを備えたクルマを試乗しましたが、使いやすさはミラーほど良いとは思いませんでした」とアロバは述べ、まだ、その技術に納得していないと付け足した。