【どうしたプリウス?】販売減速の原因はどこに? 気になるコロナ後 次期5代目プリウスの影
公開 : 2020.05.25 05:50 更新 : 2021.01.28 18:21
2020年に入って、トヨタ・プリウスの販売に元気がありません。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響は関係なさそうです。トヨタもこの推移を予想しているとも考えられます。キーワードは「ヨコテン」です。
プリウス減 コロナが原因ではない?
今年(2020年)に入って、「プリウス」の販売に元気がない。原因は新型コロナウイルス感染拡大の影響か? それとも他に何かあるのか?
まずは、具体的な販売台数の推移から見ていこう。以下、一般社団法人日本自動車販売協会連合会の発表資料に基づく数値を引用する。
直近4か月は次の通り。
1月:6659台(前年同月比76.4%、ブランド通称名順位:7位)
2月:7518台(63.4%、9位)
3月:9717台(62.5%、7位)
4月:4669台(42.2%、9位)
4月は、プリウスを生産する堤工場が4月3日から10日の6稼働日で稼働停止したが、4月発売分の多くは販売会社の保有在庫である可能性が高い。
4月販売大幅減の要因がコロナ禍とは言い切れない。
一方、2019年1〜12月は、単月でトップ3が当たり前。
前年同月比100%割れした月は4回あるが、そのうち3回は90%台と高く、落ち込みが明確な1回は消費税アップを見据えて駆け込み需要があった9月の反動が出た10月の78.5%だけだ。
その後の11月は95.6%、12月は107.2%と盛り返している。
2019年全体を見ると、上期(1〜6月)は7万277台(109.8%)、通年(1〜12月)も12万5587台(108.8%)でそれぞれ1位となっている。
では、なぜ2020年になって、プリウスの販売台数が低迷し始めたのか?
トヨタ・ライズ/ヤリス/フィットなどの新車効果の影響はもちろんあるだろうが、それだけか?
プリウス販売台数減 織り込み済み?
現行車の4代目は、2015年12月に日本発売。それから4年半ほどで、そろそろ息切れ期なのだろうか?
実質的な発売初年となる2016年は24万8258台と2019年の2倍も売れている。月別順位では、11月にeパワー採用の日産ノートに抜かれ2位なった以外、11か月でトップだった。
翌2017年は、ノートに加えて、トヨタC-HR導入の影響などもあったが、16万912台で通年トップを維持した。
続く2018年はノートが躍進し、プリウスは11万5462台で通年3位に下った。
さらに時代を遡ると、3代目プリウスは2010年と2012年に通年30万台超えを記録するといった絶対的な強さを誇った。
こうしたプリウス3代目から4代目への国内販売の推移を、トヨタはあるていど予測していたと思われる。
2017年8月上旬に開催された、旧車や名車の関連イベント「オートモービルカウンシル」(千葉幕張メッセ)のトヨタブースではプリウス生誕20周年を祝う展示を行った。
記者会見の冒頭、初代プリウスの開発責任者を務めたトヨタの内山田竹志会長が「トヨタにとってのプリウスの歩み」を振り返った。
その後、歴代プリウスの技術展示を前に、4代目プリウス開発者らと個人的に意見交換した。
その中で、トヨタブランドにおける立ち位置について議論したが、販売台数への拘り以上に、プリウス発の技術の「ヨコテン」を強調していた。