【なぜ売れ続ける?】シエンタ全面改良5年後でも販売好調 ヤリス/フィットと渡りあえるワケ

公開 : 2020.05.29 19:00  更新 : 2021.01.28 17:58

トヨタ・シエンタは、2015年7月の2代目フルモデルチェンジから約5年が経過しています。にもかかわらず、新車効果まっただなかのトヨタ・ヤリスやホンダ・フィットに善戦。その理由をトヨタに直接聞きました。

シエンタ 新車効果の競合に負けず

text:Kenji Momota(桃田健史)

トヨタ最小ミニバン「シエンタ」の販売が好調だ。

コロナ禍での、直近2020年4月販売台数は、前年比99.8%の6982台。

トヨタ・シエンタ(2018年)
トヨタ・シエンタ(2018年)    トヨタ

登録車ではトヨタ・ヤリス(1万0119台)、ホンダフィット(8977台)に次いでの3位となった(日本自動車販売協会連合会調べ)。

ヤリスとフィットは今年2月に発売されたばかりで、先行受注分をさばいている、まさに新車効果の真っただ中。

一方、シエンタは2015年7月の2代目フルモデルチェンジから約5年が経過しているのだから、善戦していると言って良い。

シエンタは年間でみても販売は好調で、2019年度(2019年4月~2020年3月)は前期比112.6%の10万8067台に。

カローラプリウスに次ぐ3位につけた。

トップのカローラとは6291台差だ。2位のプリウスは、今年に入ってから販売ペースが落ち始め、4月はモデル別9位に低迷している。

なぜ、シエンタは根強い人気を維持し続けることができるのだろうか?

どのような点がユーザーにうけているのか?

どのようなグレードや外装色が売れ筋で、どのような年齢層の人が購入しているのか?

シエンタの販売実態について、トヨタ販売店ではなく、トヨタ本社に聞いた。

そこから見えてきた、シエンタが売れ続ける本当の理由とは何か?

シエンタ ハイブリッド比率は45%

シエンタは2003年に初代が誕生。当時の日本市場は、すでにミニバン文化が広がっていて、ボリュームゾーンのトヨタ・エスティマ、ホンダ・ステップワゴンオデッセイと比べて、少しボディサイズの小さいトヨタ・ウィッシュやホンダ・モビリオが登場していた。

そうしたなか、初代シエンタは見た目は大人しい感じで、車齢12年間をかけて地味に売っていた印象がある。

2003年発売のシエンタ。2006年に続き、2011年にもマイナーチェンジされた。左がX「Lパッケージ」(2WD) 、右がダイス(2WD)
2003年発売のシエンタ。2006年に続き、2011年にもマイナーチェンジされた。左がX「Lパッケージ」(2WD) 、右がダイス(2WD)    トヨタ

それが2015年登場の2代目は、ミニバンの概念を打ち破る、アクティブで機能的な内外装デザインを採用。

低床フラットフロアでの広い空間と優れた乗降性、ガソリン車でも20.2km/Lの低燃費、さらに充実の安全・安心装備と初代から一気に進化した。

2020年4月末時点で、初代からの累積販売台数は71万3000台に達している。

同期間の販売総数14万3000台のうち、ガソリン車は7万9000台(55%)、ハイブリッド車が6万4000台(45%)。

ガソリン車では、FF(前輪駆動車)が87%、4WDが13%。

受注ベースでの人気グレードは、「Gクエロ(スペイン語で「革」の意)」(31%)、「ファンベースG」(25%)、「G」(21%)となった。

外装色では、ガソリン車とハイブリッド車ともに、ホワイトパールクリスタルシャイン、ブラックマイカ、シルバーメタリックの順だった。

次に、購入者の男女比、年齢層を見る。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事