【マツダだけじゃない】ロータリーエンジンを採用した自動車メーカー3選
公開 : 2020.06.04 05:50
マツダ。多くの人のこころと記憶に残っている技術の1つにロータリーエンジンがあります。コンパクトなスペースで滑らかに高出力を稼ぎ出すことができます。マツダ以外にも完成車に搭載したブランドがありました。
ロータリー、マツダの印象強いけど
今年創立100周年を迎えたマツダ。やはりそのアイデンティティとして、多くの人のこころと記憶に残っている技術と言えばロータリーエンジンではないでしょうか。
フルラインナップでロータリーエンジン車を展開し、ル・マン24時間耐久レースで初めて優勝した日本車787Bもロータリーエンジン車でした。
コンパクトなスペースで滑らかに高出力を稼ぎ出すことのできるエンジン。実は研究レベルではかなり多くのメーカーが手掛けていたようですが、実際に完成車に載せたメーカーがマツダ以外にも存在します。そんなメーカーをご紹介しましょう。
メルセデス・ベンツ
1969年のフランクフルト・モーターショーでデビューを飾ったC111。これは280psの3ローターロータリーエンジンを搭載したスポーツカー。
ガルウイングタイプの未来志向なデザインを纏ったこのクルマは、1954年に登場したW198型300SLの真の後継車と目される存在でした。
翌年には改良型C111-IIとして4ローター化、350psまでパワーアップさせたモデルをジュネーブ・モーターショーで発表しています。
しかし、同等排気量のレシプロエンジンに対して燃費が著しく悪いなどの理由でロータリーエンジン車開発はストップします。
C111も12台が製作されたものの、量産には至りませんでした。
後にエンジンをV8に載せ替えられたC111-IVは、レコードブレーカーとして1979年に403.978km/hという速度記録を樹立している。
NSU
もともマツダの技術もここから提供されたものでした。フェリクス・ヴァンケルが開発をスタートし、発明した技術こそロータリーエンジンでした。
ちなみに社名は、同社があった、ネッカー川とズルム川が合流する街ネッカーズルム(Neckarsulm)に由来します。
もともとはニット編み機メーカーから始まったNSU。1892年には完全にオートバイメーカーになり、のちにホンダに抜かれるまでは世界最大のオートバイメーカーだったといいます。
自動車の製造は1905年からスタート、1932年に自動車部門はフィアットに買収されています。
1964年に世界初のロータリーエンジン搭載車「ヴァンケルスパイダーを、1967年にはセダン初のロータリー車「Ro80」を発売しました。
しかし、NSUはローターハウジング内にチャターマークと言われる波状摩耗を起こす致命的トラブルをはじめ、様々なエンジントラブルを克服できず、実際に数多くのクレームが寄せられ、経営に大きな影響を及ぼしました。
これを受けて、Ro80のレシプロエンジン版というべきK70を発表。この発表を目前に控えた1969年にNSUはフォルクスワーゲン傘下となり、ほぼ同時期にフォルクスワーゲン系列になったアウトウニオンに吸収、現在のアウディの原点の一角になりました。
K70はビートルのイメージに偏り過ぎたブランドイメージからの脱却を図るためにフォルクスワーゲンブランドで販売されます。
Ro80も1977年まで生産されますが、この生産終了と共にNSUブランドは消滅しました。