【軽トラック】なぜトラック王国アメリカで日本の軽トラが大人気? 25年ルール待たず輸入/登録の動きも
公開 : 2020.06.08 17:50 更新 : 2020.06.09 11:49
日本の自動車メーカーが日本人のために作った軽トラックの中古車が、近年アメリカで大人気となっています。利便性のみならず、日本で使われていたことも理由の1つです。消防や警察機関、米軍基地でも目にします。
なぜ、軽トラがアメリカで人気なのか
ダイハツ・ハイゼットや、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティなどの軽トラックは日本の自動車メーカーが日本人のために作った、とても使い勝手が良く維持費も安い働くクルマだ。
全幅1.4m以下のサイズで、田んぼのあぜ道や山奥の林道、入り組んだ市街地の道路でもストレスなく走ることができる。
最小回転半径はどの車種も3.6m(カタログ値であり実際にはこれ以下の車種もある)という小回りの利くサイズとなる。
しかしそんな「軽トラ」が近年、アメリカで大人気となっている。
トラック王国アメリカで日本の軽トラがいったいどんな風に使われているのだろうか?
ドリフト車を主体とするチューニングショップと日本製中古車の海外輸出を手掛ける「PINKU STYLE」(青森県三沢市)を経営するドナルド氏がその理由を教えてくれた。
「軽トラはアメリカでもすごい人気ですよ。アメリカは何でもデカいですからね(笑)」
「小回りの利く日本の軽トラックは使いやすく燃費も良い。多くの人々が欲しがっています。農作業に従事する人達にはとても使いやすいと大評判です」
「あんなに小さいのに荷台には結構な量(全車最大積載量350kg)の荷物が積めます」
アメリカで中古の日本車を輸入している業者も同様に軽トラを高く評価する。
「広い農場を移動するための、ゴルフカートのような感覚で使われているようです。女性ユーザーにも人気ですよ」
「コンパクトなサイズに広い荷台、二人乗りと割り切った仕様も良いですね。運転の楽しさも人気の理由です」
魅力はまだある日本製中古軽トラック
コンパクトなボディに小回りの良さ。なんと言ってもアメリカで絶大な信頼を得ている日本の自動車メーカーが日本の工場で作ったというところも高評価だ。
そして、中古車として入ってくる場合、走行距離の少なさも大きな魅力となる。
日本では軽トラに限らず10万kmを超えると過走行車として大きく価値が下がるが、アメリカでは20万kmを超えても日本車は問題なく走るし、耐久性やパーツの供給スピードも素晴らしいと評価されている。
とはいえ、実際、日本の軽トラックが長い距離を走ることはあまりない。農作業や近所への買い物に使われることがほとんどなので、年間の平均走行距離は5000km以下だ。
大手中古車情報誌の情報を調べてみたところ、軽トラの代表選手スズキ・キャリィの中古車は3290台が掲載されており、平均年式は2013年。走行距離の平均は約3万4800kmである。
また、全国統一で行われる車検制度(軽トラックは初回2年、以降2年ごと)のおかげで古くても故障は少なく機関も極上であることが多い。
日本独自の車検が海外に出る日本車の信頼性をさらに高めている。
このような中古軽トラックだが、多くはいわゆる「25年ルール」によってアメリカへ持ち込まれる。
しかし、実は25年もまたなくても、(新車であっても)アメリカ国内での販売や使用が認められる規則があることがわかった。