【パンデミックから共に立ち上がる】ルノー・日産・三菱アライアンスの未来
公開 : 2020.06.18 22:50
先日、新しいビジネスモデルを明らかにした、ルノー・日産・三菱アライアンスの将来について、アナリストに話を聞きました。ゴーンの失脚により危機が噂されていたものの、生き残りをかけ、結束を固めていくと見られています。
ルノー・日産・三菱アライアンス
ゴーンの突然の失脚により動揺が見られた、ルノー・日産・三菱アライアンスは、今回の危機により、結束を固めようとしている。
ジェイトー・ダイナミクスのグローバルアナリスト、フェリペ・ムニョスは「FCAとPSAと同様に、危機はアライアンスの結束を固くするでしょう」と述べている。
「日本市場は、西欧よりも強い市場になるでしょう。そのため、ヨーロッパの不況にさらされているルノーのような企業にとって、アライアンスはさらに意味のあるものとなります」
最近、アライアンスは、世界的な影響力に基づき、組織を再構築すると発表している。
日産は中国と北米マーケットで、ルノーはヨーロッパで、三菱は東南アジアで、それぞれアライアンスをリードする。
運用と研究開発の重複を避け、グローバル展開を強化することを目的としている。
ゴーンが去った後、アライアンスを強く導くリーダーが、誰となるかは、まだわかっていない。
ルノーの15%の株式を所有しているフランス政府が、どのように関わってくるのかについても、注目される。
「ルノーを含むそのほか主要企業の救済において、フランス政府がどのような役割を果たすかを理解する必要があります」
「フランス政府の関わり方が、今後のルノーと日産の関係を左右するでしょう」とムニョスは述べている。
日産サンダーランド工場の将来
日産のサンダーランド工場の生産は、長年にわたり減少傾向にあり、昨年は2018年と比べて5分の1となる、34万6535台となっている。
同社はまた、ディーゼル販売の低迷およびイギリスのEU離脱による不確実性を理由に、サンダーランドでの次期型エクストレイルの生産計画をキャンセルしている。
一方で、同工場に4億ポンド(538億円)を投資し、第3世代キャシュカイを来年生産する計画を進めている。
また、ヨーロッパで最も売れているEVモデルの1つであるリーフと、人気SUVであるジュークの生産も行っている。
3月に、日産のCOOであるアシュワニ・グプタは、同社の同工場に対する投資は「クラス最高」の信頼を示していると語っている。
しかし、英国とEUの間に貿易協定がなければ、ビジネスモデルは「持続不可能だ」とも付け加えている。
一方で、先月から、サンダーランドには別の可能性が浮上してきている。
バルセロナ工場の閉鎖を明らかにしたルノーが、同社のSUV2モデル、キャプターとカジャールを、同工場で生産する方向で、日産と交渉中であるという情報が入ってきている。
カーディフ大学の業界専門家であるピーター・ウェルズは、サンダーランドが今日の日産にどのような評価を与えられているかについて語っている。
「キャシュカイの好調な販売により、生産性の高い工場であると捉えられているでしょう」
「マイクラは、ここでの生産で十分な収益を確保することが出来なかったため、インドに移管されました。台数は減りましたが、収益は増えています」
「工場の将来は、楽観視できると考えています」
画像 日産キャシュカイ、リーフ、ジューク、ルノー・カジャー、キャプチャー【サンダーランド生産/生産予定モデル】 全77枚