【なぜR360クーペがモチーフに?】きっかけは社会人2年目の社員 マツダ100周年記念車
公開 : 2020.06.18 05:50 更新 : 2020.06.18 08:29
マツダが今年(2020年)4月3日に開始した、マツダ創立100周年の「特別記念車」。モチーフとして、1960年発売のR360クーペを使っています。その理由はユニークなものでした。詳細をお伝えします。
100周年記念車 6月末から納車
マツダが今年(2020年)4月3日に開始した、マツダ創立100周年の「特別記念車」について、その詳細が明らかになった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、6月16日にマツダがテレビ会議システム「ズーム」を使って実施した、オンライン取材会のなかで、マツダ関係者が説明した。
すでにホームページ上で明らかになっているように、受注締め切りは2021年3月31日。
商品本部・本部長の猿渡健一郎氏は「各モデルの計画販売台数はあえて設定していない。今回はお客様へ感謝の気持ちを表すことが第一。お客様がクルマを購入する時期は様々であり、実車をじっくりご覧いただき、購入を検討していただけるように1年間としました」という。
販売価格の設定については「基本的に、各モデルのLパッケージに対して、プラス約11万円。Lパッケージがないモデルでは、改めてLパッケージを設定した上で、100周年記念車を設定しました」とのことだ。
デリバリー時期については、マツダ2、マツダ3、CX-3が6月末からデリバリーを開始する予定だ。マツダ6については、現時点では注文を受け付けていない。
今回の100周年記念車のモチーフとして、1960年発売のR360クーペを使っている点については、デザイン本部・副部長の中山雅氏が、採用の社内プロセスを説明した。
R360クーペ 若手デザイナーの発案
100周年記念車企画をどのように進めるのか。
デザイン本部の中で、若手を中心にタスクチームを設け、様々な企画を募集した。
様々な種類の歴代マツダ車をオマージュした案があったが、「マツダとしての文化の香りを感じる、R360クーペの題材案に決めました」という。
同案の立案者は、入社2年目の若手。実は、R360クーペの主力となった社員デザイナーも当時、入社2年目という不思議なつながりがある。
企画を具現化する上で、最も重要だったのが色の設定だ。デザインセンター内の倉庫から、当時の資料を探し出したところ、そこには手書きで詳細な記載があった。
ルーフ部分やインテリアに使用した赤っぽい色は、「マーロンルージュ」と表記されていた。また、ボディ色は「アルペンホワイト」
これらの色のイメージを、現在使用している色味を踏まえて検討した結果、ボディ色はスノーフレイクホワイトパールマイカ、そして赤っぽい色はマツダ3から内装色として採用しているバーガンディを用いた。
その他、フロアマットやセンターホイールに、旧東洋工業と現マツダのロゴを融合させた100周年記念社章デザインを描いたほか、同じデザインをヘッドレストに丁寧に刻印している。