【意外と古くからあった?】アイドリングストップやハイブリッド クルマの歴史を変えた技術 10選

公開 : 2020.06.22 19:50

最新の装備としてオートハイビームやアイドリングストップが普及していますが、それらには実は古い歴史があります。クルマの進化に貢献した技術について、実現されずに消えていったアイデアたちとともにご紹介します。

ハイブリッドシステム

text:James Disdale(ジェームズ・ディスディル)

世界初の量産ハイブリッド車といえば、1997年に登場したトヨタプリウスであることは間違いない。

しかし、ハイブリッドシステムの歴史は、1900年にフェルディナンド・ポルシェが設計した「ローナー・ポルシェ・ミクステ」が始まりとされる。

ローナー・ポルシェ・ミクステ(1900年)
ローナー・ポルシェ・ミクステ(1900年)

4気筒ガソリンエンジンによりバッテリーを充電し、蓄えられた電力で2基の電気モーターを駆動するというシリーズ式ハイブリッドであった。

残念ながら、T型フォードの登場により、この重くて高価なハイブリッドシステムは約1世紀にわたって世間から忘れられることになった。

エアコン

いまやあらゆるクルマで欠かせない快適装備となったエアコン。

アメリカの高級車メーカーであるパッカードが、コンプレッサー式の冷房をはじめて導入したのは1940年に遡る。

エアコンがオプション設定された1940年型パッカード
エアコンがオプション設定された1940年型パッカード

機能的であったが、天文学的な価格、かつトランクの大部分を占めるほど巨大であったため人気を得られなかった。

1953年には、より強力でコンパクトな冷房装置をクライスラーが採用している。

タッチスクリーン

スマートフォンの誕生以来、自動車メーカーは同様のタッチスクリーンをダッシュボードに搭載すべく邁進してきた。

ハイテク自動車必携のアクセサリーだが、実はアップル社のiPhoneよりも20年ほど前に登場しており、1986年のビュイック・リビエラでデビューを飾っている。

登場が早すぎたビュイックのディスプレイ
登場が早すぎたビュイックのディスプレイ

「グラフィック・コントロール・センター」と呼ばれた9インチのディスプレイは、黒のスクリーンに緑色の電子文字が特徴で、ラジオやエアコンなど、ほぼすべてのオンボード機能をコントロールできた。

時代を先取りしていた装備だが、ユーザーからは不評で、1990年には廃止されてしまった。

デュアルクラッチトランスミッション

デュアルクラッチトランスミッションは、2003年にフォルクスワーゲン・ゴルフR32に採用されて以来、20年近くもクルマを動かし続けてきた。

しかし、開発自体はずっと昔から始まっていた。

デュアルクラッチトランスミッション
デュアルクラッチトランスミッション

フランス人エンジニアのアドルフ・ケグレスは、量産化には至らなかったものの、1935年に同技術を特許化。

ポルシェは1964年からこのアイデアの実現に取り組んでおり、1983年にはグループCのレーシングカー「956」に実験的なユニットを搭載した。

また、アウディは1985年のグループBのラリーカー「S1」にデュアルクラッチを採用している。

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