【なぜCMにタレント起用しない?】マツダの独自戦略 その意図とは? 実は昔は……

公開 : 2020.06.22 10:02  更新 : 2020.06.22 10:29

クルマのテレビCMをみていると、タレントが多く出演しています。いっぽうマツダのCMは「人とクルマ」との関係を描くイメージ的な映像が多いです。その意図をマツダに聞くとともに、マツダの戦略を考えます。

花盛り タレントがクルマのCM出演

text:Kenji Momota(桃田健史)

ご存じ、「Be a driver」。マツダCMの主役は、ユーザーである。

最近のマツダCMは「人とクルマ」との関係を描くイメージ的な映像が多く、有名タレントが登場するケースは見受けられない。

最近のマツダCMは「人とクルマ」との関係を描くイメージ的な映像が多く、有名タレントが登場するケースは見受けられない。
最近のマツダCMは「人とクルマ」との関係を描くイメージ的な映像が多く、有名タレントが登場するケースは見受けられない。    マツダ

一方で、他のメーカーではタレントが登場するクルマのCMは多数ある。

例えば、矢沢永吉の「やっちゃえ、日産」。個別モデルに対してではなく、自動運転技術を活用した運転支援システム、プロパイロットなど技術全般に渡る企業イメージの伝道者として登場する。

トヨタでは、新しいクルマの活用方法として、サブスクリプションのKINTOで様々な俳優が登場する。佐藤浩一、松田翔太、菅田将暉、二階堂ふみ等によるドラマ仕立てのストーリーだ。

ホンダでは「フリード」で、小池栄子を使い女性ユーザー層をイメージさせるような演出。

スズキは「キャリィ」で、草刈正雄が農家の食卓を囲んで予防安全技術を説明。

スズキ・ソリオでは、TOKIOから吉田鋼太郎が率いる家族へバトンタッチ。

また、スズキの初売りなどの販売促進全般では、ももいろクローバーZ。

ダイハツでは、「タント」に大泉洋、「ブーン」に篠原涼子、さらに「タフト」ではキャラクターの声を千鳥の大悟が演じている。

また、輸入車では、アンバサダーという名目でアスリートを採用するケースが目立つ。

マツダ、実は過去にたくさん出演……

マツダについても、筆者自身としての記憶を辿ると、「カペラ」でフランスの名優アラン・ドロンを思い出す。

また、70年代に登場したラグジュアリークーペの「コスモAP」では、真っ赤なドレスを纏ったトップモデルの宇佐美恵子のイメージが強い。

初代コスモAP(1975年)
初代コスモAP(1975年)    マツダ

正確な情報を得るため、マツダ本社に問い合わせたところ、次のような回答を得た。

意外な結果だった。

まさかこんなに多くのモデルで、多様なタレントを採用していたとは、改めて驚いた。

・初代デミオ:スコッティ・ピッペン(米NBAトッププレイヤー)

・2代目デミオ:伊東美咲

・3代目デミオ:玉木宏、山本梓、戸田恵梨香

・5代目ファミリア:北大路欣也

・6代目ファミリア:中井貴一

・7代目ファミリア:所ジョージ

・3代目カペラ:アラン・ドロン

・5代目カペラ:萩原健一

この他にも、マツダが80年代から90年代にかけて販売5チャンネル制(マツダ店、ユーノス店、オートラマ店、アンフィニ店、オートザム店)を敷いた際、オートラマ「レビュー」に小泉今日子が出演している。

このように、マツダも以前は意外とタレントCMが多かった。

それどころか、クルマの宣伝の歴史を紐解くと、マツダはこの分野での先駆者だったことがわかる。

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