【美しい姿に自然吸気のV8】レクサスLC 500リミテッド・エディションへ英国試乗
公開 : 2020.06.24 10:20
レクサスが誇るスポーティ・グランドツアラーのLC500に、特別なスタイリングパッケージが登場。貴重な存在となった自然吸気V8エンジンを搭載し、優雅な雰囲気を漂わせる2ドアクーペを、英国の一般道で評価しました。
もくじ
ー英国でも貴重な存在の自然吸気V8エンジン
ー魅惑的なエンジンサウンドを楽しめる
ー機敏でバランスの取れたスポーツカー
ー躍動的なボディにカリスマ的なV8エンジン
ーレクサスLC 500リミテッド・エディション(英国仕様)のスペック
英国でも貴重な存在の自然吸気V8エンジン
レクサスのエンブレムを掲げる中で、最もエキサイティングなモデルといえば、LC500だろう。現在では珍しい、自然吸気のV8エンジンを搭載する。英国では、NAのV8を選べるモデルとして、わずか2モデルの中の1つだ。
自然吸気のV型10気筒エンジンを搭載した、LFAという存在もあった。生産が終了したのは2012年だから、だいぶ時間が経ってしまった。
今回試乗するのは、LC500の限定仕様となるリミテッド・エディション。専用色となるダークグリーンのボディカラーに、ツートーンで仕上げられた21インチのアルミホイールを装備。通常のLC500以上に、視線が奪われるスタイリングにまとめられている。
インテリアは、レザーとアルカンターラを全面的に使用。フラッグシップ・クーペとして、ラグジュアリーさも増している。
シャシーとパワートレインは、基本的に標準のLC500から変更はない。滑らかに呼吸する5.0LのV8エンジンを搭載し、トルクコンバーター・タイプの10速ATを介して後輪を駆動。最高出力は473psを発揮する。
サスペンションは、スチール製スプリングに、アダプティブ・ダンパーの組み合わせだ。
優雅でもあり、スポーティでもあるLC500。本格的なスポーツカーと、ラグジュアリーなグランドツアラーの境界をまたぐ。4シーターとして、ポルシェ911やBMW M850iなどと競合する位置にある。
魅惑的なエンジンサウンドを楽しめる
LCは、ダイナミックなコンセプトカーのスタイリングと、オールドスクールなエンジニアリングとが融合している。シャープなヘッドライトと大きなフロントグリルの後ろには、大排気量のV8エンジンが収まり、テールライトはミラーで反射され、無限に奥へと続く。
インテリアも、新旧が織り交ぜられた独特の空間。モニター式のメーターパネルは、LFA譲りのもの。カラーのヘッドアップディスプレイは未来的だが、物理的なボタンやスイッチもふんだんに残されている。
ライバルモデルのように大きなモニターが備わるが、システムの仕上がりは今ひとつ。レクサスで共通する特徴でもある。タッチパッドのコントローラーは反応が過敏で、インフォテインメント・システムも洗練度はいまいち。走行中の操作は難しい組み合わせだ。
英国の一般道を走らせてみる。最後の自然吸気のV8エンジンという味わいが、強く気持ちを支配する。
最大トルクは回転数がある程度高まらないと得られないし、最高出力もレッドゾーン手前の7100rpmで発生する。そのため、加速力は圧倒されるほど鋭いわけではない。
しかし、悪くはない。免許証が存亡の危機に陥る速度域へ到達する前に、魅惑的なエンジンサウンドを存分に楽しむことができるのだから。
段数の多い10速ATは、トランスミッション任せだと、上のレシオで選択に迷う場面がある。7速くらいのATだと考えて、シフトパドルでドライバー自ら変速するのが良い。あるいは、スポーツ+モードを選ぶ手もある。上段側のレシオは選ばない設定に変わる。