【走りも乗り心地も大幅に向上】最新メルセデス・ベンツGLA 220dへ英国試乗
公開 : 2020.06.25 10:20
メルセデス・ベンツの最小クロスオーバー、GLA。Aクラス・ベースを隠さなかった初代から2代目へと進化し、見た目はSUV度がアップ。乗り心地や操縦性なども大きく引き上げられた最新型を、英国の一般道で評価しました。
もくじ
ーメカニカルな部分でつながりの濃いAクラス
ー初代より広さを増したインテリア
ー乗り心地も操縦性も大幅に向上
ーコンパクトSUVの中で優れた競争力
ーメルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)のスペック
メカニカルな部分でつながりの濃いAクラス
2014年に販売が始まった、初代メルセデス・ベンツGLA。本格的なSUVを展開するメルセデス・ベンツの中でも、Aクラスとは違うモデルとしての変化は得ていた。
しかし実際は、ホイールアーチなどにワイルドなスタイリング要素を追加した、わずかに車内の広いAクラスだった。マーケティング要素が強かったものの、比較的穏やかなプレミアム・ブランドのモデルレンジの中では、充分な注目を集めていた。
ジャガーやレクサス、ボルボからの、コンパクト・クロスオーバー市場への参入はまだ。アウディQ3とBMW X1は、発表から時間が少し過ぎていた。
2代目へと生まれ変わったメルセデス・ベンツGLAは、もはやAクラスのお化粧直し的なモデルではない。プレミアム・ブランド各社からライバルモデルがリリースされる中で、より本格的なSUVへと生まれ変わった。
コンパクトSUVとしてメルセデス・ベンツは、GLAのほかにボクシーでややレトロなスタイリングをまとう、GLBも投入している。市場の人気をうかがわせる流れだ。
初代と同様に、GLAは基本的にメカニカルな部分でAクラスとのつながりが濃い。プラットフォームだけでなく、エンジンや技術面も共有している。英国ではトップグレードとなる、今回のディーゼルエンジン版、GLA 220dでも同様だ。
初代より広さを増したインテリア
デザインへの力の入れ具合は、明らかに初代以上。全高は初代GLAより104mmも高く、全幅も広げられている。全長は15mm短く、ホイールベースは30mm長い。
シルエットはAクラスとの近さを感じさせるが、ファミリーカーとしての実力は高められている。特にリアシートの広さは、先代の弱点だった。2代目GLAでは、190cm近い身長のドライバーが座っても、リアシートにも同じ身長の大人が座れる空間がある。
荷室の容量は435Lで、コンパクトSUVの中では小さい方。しかし、リアシートは左右個別に前へスライドできる。これ以上大きい荷室がほしいなら、GLBということになる。
車内に乗り込むと、Aクラスと関係が近いことが良くわかるが、デザインは高級感がある。タッチモニターや音声認識で操作できる、MBUXと呼ばれるインフォテインメント・システムも搭載される。
インフォテインメント・システム用とメーターパネル用に、光沢の強い10.2インチのモニターが2面並ぶが、筆者には少し安っぽく見える。より高級感を味わいたいのなら、インテリアトリムは上級のものを選んだ方が良い。
Aクラスと同様に、少し詰めが甘い部分もある。音声やモニター、タッチセンサーでの操作が可能なインフォテインメント・システムは、ロータリー・コントローラーの付くBMW iドライブより移動中の操作がしにくい。
プラスティック製パネルの一部は傷が付きやすいし、ドアパネルは中の空洞を感じてしまう。試乗車では、インテリアのどこからか部品が揺れる音も聞こえてきた。4万ポンド(528万円)もするクルマなのに。