【パンデミックから立ち上がれ】アストン マーティン DBXの納車へ向けて、400億円の調達を目指す
公開 : 2020.07.03 12:25 更新 : 2020.07.03 12:25
英アストン マーティンは、パンデミックによる危機から立ち直るため、邦貨にして400億円の資金調達を行うそうです。7月に「DBX」のデリバリーを控え、財政を立て直す目的があると考えられています。
400億円超の資金調達を目指す
アストン マーティンは、新型コロナウイルスのパンデミックから立ち直るため、資本の約20%に相当する新株を発行し、約2億4500万ポンド(324億円)の調達を目指すことを明らかにした。
ロックダウン規制により、スポーツカーの需要が激減したため、同社は、今年の第1四半期に1億1900万ポンド(157億円)の損失を出している。
この対策は、待望のSUV「DBX」の納車開始を来月に控え、同社の財政を立て直すために行われる。
同社は、既存の普通株式資本の19.99%に相当する新株を発行するという。
新会長であるローレンス・ストロールの投資ファンドYew Treeが、これらの株式の24.99%を購入し、プレステージ・モーター・ホールディングスが7.78%を取得する。
同社はまた、新型コロナウイルスにより影響を受けた大企業に対する、英国政府が支援する貸付金2000万ポンド(26億円)の承認を受けており、また約5500万ポンド(73億円)の借入を計画している。
同社は最近、ストロールが先導して、ディーラー在庫およびスポーツカーの生産を減らし、人員の調整も進めた。
ストロールは、次のステップは「不安定な状況に適応するため財務の柔軟性を向上させ、経営計画を実行するための追加資金」を提供することだと述べている。
DBX、7月に納車開始
同社は現在、元CEOのアンディ・パーマーが辞任するなど、大規模な再編の真っただ中にあり、メルセデスAMGのトップであるトビアス・ムアースが、8月に新しいCEOに就任する予定となっている。
ストロールによると、DBXは同社のセントアサン新工場で生産され、7月にヨーロッパ向けの納車が開始される。
また、来年発売予定のハイパーカー「ヴァルキリー」の開発も再開されている。
販売店の約90%がシャットダウンを終え、営業を再開しているが、第2四半期の売上高は引き続き低くなると予想だという。
同社は、DBXの販売に大きな期待を寄せており、今年の売上の約半分を占めると予測している。
セントアサン工場は、全面的に稼働しているが、スポーツカーの在庫を抑えるため、ゲイドン工場は閉鎖されたままとなっており、再開スケジュールもまだ明らかにされていない。
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