【立派になりすぎた?】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI ゴルフRある今、「伝説」の存在価値は?

公開 : 2020.07.04 05:50  更新 : 2021.10.11 14:50

VWゴルフは世界のベンチマークであり続けています。そしてGTIは代名詞と言っても良いほど世に知られています。長い歴史で、より速いモデルが出現。GTIも公道で十分すぎる性能に。それでも存在価値はあるか検証します。

世界のベンチマーク、VWゴルフ

text:Toshimi Takehana(竹花寿実)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)

ドイツが世界に誇るコンパクトカーであるフォルクスワーゲン・ゴルフは、1974年の初代デビュー以来、優れた走行性能と高い実用性で世界のベンチマークであり続けている。

特に伝統的にコンパクトカーのシェアが大きいヨーロッパでは、数十年にわたり販売台数ナンバー1の地位を守り続けてきた。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス
フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス    神村 聖

ところが今年2月、ヨーロッパにおける販売台数首位の座が突然崩れた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新世代のゴルフ8に切り替わったばかりの生産や販売がストップしたためだ。

ゴルフに代わって首位に立ったのはルノー・クリオで、販売台数は2万4914台。ゴルフは2万4735台だったので、差はわずか179台だが、今回ばかりは運が悪かったと言うしかない。

むしろこれまで何度もモデルチェンジを重ねながら、世代交代のタイミングでも首位を守り続けてきた事が驚異的だ。

近年は身内のフォルクスワーゲン・グループ内も含めて市場に競合モデルが増えた事もあり、以前ほどの圧倒的な強さは失われつつあるが、これまで3500万台以上がオーナーの手に渡ってきたゴルフの実績は、今もライバルを圧倒する。

そんなゴルフには、初代からスポーティバージョンのGTIが存在する。

新型ゴルフ8もGTI設定 決定済み

新しいゴルフ8にもGTIが設定されることはすでに発表済みだ。

この「GTI」という3文字のアルファベットは、もはやゴルフの代名詞と言っても良いほど世に知られている。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス
フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス    神村 聖

改めてどんなモデルなのか振り返るべく、現在日本で販売されているゴルフ7のGTIに試乗してみた。

今回乗ったのはゴルフGTIパフォーマンスという、標準仕様のゴルフGTIより15psと2.0kg-mも強力な、245psの最高出力と37.7kg-mの最大トルクを発揮するハイチューンの2.0L直4ターボエンジンを搭載したモデル。

エンジン以外にも、7速DSG(標準仕様は6速DSG)や19インチ・アルミホイール&225/35R19タイヤ(同17インチ・アルミホイール&225/35R17タイヤ)、電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック(同電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」)、アダプティブシャシーコントロール「DCC」などが標準搭載。

さらに専用のマイクロフリースシートやデジタルメータークラスター「Active Info Display」、ダイナミックターンインジケーター付きのLEDテールランプなども奢られた、GTIのスポーティネスをさらに際立たせた仕様である。

記事に関わった人々

  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 竹花寿実

    Toshimi Takehana

    1973年生まれ。自動車専門メディアの編集者やライターを経て、2010年春に渡独。現地でドイツ車とドイツの自動車社会を中心に取材、日本/中国/ドイツ語圏のメディアに寄稿。2018年夏に帰国、現在は東京を拠点に新型車や自動車業界、モビリティ全般について独自の視点で発信中。海外モーターショーの取材経験も豊富な国際派モータージャーナリスト。

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