【本当? テスラがトヨタを抜いた?】時価総額でトヨタ越え テスラの将来、順風満帆? それとも……

公開 : 2020.07.03 05:50  更新 : 2020.07.03 08:52

7月1日の米株式市場で、テスラ株が上昇した結果、約5700億円の差でこれまでトップだったトヨタを抜きました。これは素直に喜ばしいことなのか? これまでの「急成長」を振り返りつつ、他ブランドと比べます。

テスラ、世界のトップに立ったのか?

text:Kenji Momota(桃田健史)

米EVメーカーテスラは、時価総額でトヨタを抜き、世界ナンバーワンとなった。

2020年7月1日の米株式市場で、テスラ株が上昇した結果、同社の時価総額は2072億ドル、1ドル107円50銭換算で22兆2740億円となり、約5700億円の差でこれまでトップだったトヨタを抜いた。

テスラ・モデルX
テスラ・モデルX    テスラ

時価総額とは、発行済み株式総数における株価の総額。一般的には企業の実力を示す指標の1つとされる。

テスラが時価総額でトヨタを抜いたというのは、テスラが日本の上場企業すべてを抜いたことになる。

7月2日付、日本の上場企業の時価総額ランキングは、1位がトヨタ(約22兆1133億円)、2位がソフトバンクグループ(11兆7657億円)、3位がキーエンス(10兆4652億円)、4位が日本電信電話(9兆6486億円)、そして5位が中外製薬(9兆5505億円)と続く。

テスラはそんなに大きな企業なのだろうか?

以下、自動車メーカーでは、ホンダが19位(4兆9805億円)、スズキが73位(1兆7585億円)、SUBARUが74位(1兆7514億円)、日産が78位(1兆6820億円)、いすゞが154位(8094億円)、マツダが277位(4170億円)、日野が286位(4085億円)、三菱自動車が294位(3919億円)と続く。

テスラはそんなに大きな企業なのか?

単純に時価総額だけで比べると、テスラはホンダの4.5倍、マツダの53.4倍というとんでもない数字になる。

テスラはそんなに大きな企業なのか?

テスラ・モデル3
テスラ・モデル3    テスラ

販売台数では、同社が発表した2020年第1四半期(1〜3月)は7万7100台。これは前年比の約2倍だ。

生産拡大の背景には、コンパクトサイズEVの「モデル3」と最新モデルの「モデルY」の効果が大きい。

仮に、このペースで生産できたとして、年間30万台規模だ。

年間30万台の生産能力というと、一般的には大手自動車メーカーが海外生産を始めるための目安だ。

販売台数で、トヨタは2019年度が947万台であり、テスラとは30倍以上も多い。

テスラは現在、トヨタから買収したカリフォルニア州内の生産拠点・旧NUMMI(ヌーミー)を主体に製造しているに過ぎない。

自動車メーカーとしては、まだ初期段階なのだ。

今後は中国をはじめ世界各地で生産拠点を設けるとなると、株価はさらに上昇するのだろうか?

そうなると、トヨタを含め自動車メーカー各社を圧倒する規模の時価総額に達してしまうのだろうか?

それとも、自動車メーカーや大手IT企業との連携、または合併吸収などが起こるのだろうか?

近年中のテスラ事業の急拡大を振り返ると、今後、何が起きてもおかしくはないと思う。

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