【見た目に惑わされないで!】見た目と走りにギャップがあるクルマたち よくもわるくも

公開 : 2020.07.11 08:50  更新 : 2020.11.10 17:58

人は見た目で判断できないとよく言われますが、クルマも同じです。走りが見た目の良さに見合わなかった時のあの裏切られた感覚。反対に、見た目の割によく走るクルマも。見た目と走りにギャップのあるクルマを紹介します。

見た目とは裏腹の走りを見せるクルマ

text:Colin Goodwin(コリン・グッドウィン)

最近、BMW Z8に新車で乗って以来、初めてハンドルを握った。素晴らしいクルマだが、運転して失望した。

良さを感じられたのは、自然吸気エンジン、マニュアル・トランスミッション、そして無駄なインフォテインメントシステムがないことだけだった。

BMW Z8
BMW Z8

発売当時、このZ8を手に入れたら二度と手放さないだろうと思ったが、今では手放してもいいと考えている。

クルマの魅力は、見た目だけではない。振り返ってみると、見た目は素晴らしくても、走りがよくないクルマはいくつか思い当たる。

その逆もまたしかり。見た目は最悪だが、運転すると素晴らしいと思えるクルマもある。

友人に見せる勇気があれば

その中でも特に記憶に残っているのが、1990年代初頭の日産プリメーラeGTだ。

酷いとまでは言わないが、平凡な見た目のクルマだった。

グッドウッドで行われた故ピーター・ゲティンのドライビングスクールに行ったとき、プリメーラを何台も所有していることを知って驚いたのを覚えている。

実際に運転してみて分かったが、プリメーラeGTは152psのエンジンを搭載しているだけでなく、フロントとリアのマルチリンクサスペンションのおかげで、優れたシャシー性能を発揮するのだ。

一度見たら忘れない

しかし、プリメーラに勝るとも劣らない、走りは良いが見た目には不快なマシンの最高傑作がある。

リライアント・シミターSS1だ。

トライアンフのスピットファイアやスタッグを生み出した天才、ジョバンニ・ミケロッティがこのリライアントをデザインしたとは信じがたい。

ある種、独創的過ぎて言葉を失う。

SS1にはフォードのCVHエンジンが搭載されていたが、後のSSTには日産シルビアの1.8L ターボエンジンが採用された。

136psのパワーを発揮し、独立懸架式サスペンションを装備したSSTは、友人に見られるリスクさえ覚悟していれば、運転するには最高のクルマだった。

無能な美女たち

では、Z8をはじめとする無能な美女たちの話に戻ろう。

いろいろな意味でガレージから出したくない、美しいクルマたちである。

英国のマスタング

アルファ・ロメオ・ブレラ
アルファ・ロメオブレラ

フォード・カプリはどうだろうか?

英国では、欧州版マスタングとして思い入れのある人が多い。

スタイリングは素晴らしく、特にフェイスリフト前のMk1のフォルムは、純粋なスポーツマシンに乗っているかのような錯覚に陥るほど。

しかし、3.0L V6の愛すべきモデルも存在するが、「クロスフロー」と呼ばれる1.3Lないし1.6Lエンジン搭載車は非力で、駐車場に停めておくのがベストだった。

美しきイタリアンスポーツ

フィアットグループ、特にアルファ・ロメオは、ショッピングカートのようにダイナミックな動きをする美しいマシンを数多く生み出してきた。

その中でも特に目を引くのが、ブレラと4Cだ。

ブレラは、一目でそれと分かるほどの見事なクーペである。

しかし、1800kgもの車重は受け入れがたい。なぜこんなにも重くなってしまったのだろうか。

そして4Cに関しては、どうして走りが台無しになってしまったのか、理解に苦しむところだ。

アーキテクチャーは、ダラーラが用意したカーボンファイバー製のプレミアムなものだった。

しかし、4Cスパイダーは特に、今までで最も無能なスポーツカーの1つである。

多くの人にとって、アルファへの批判は冒涜となるだろう。

イタリア嫌いではないことを証明するために、エンジンをかけると魅力が薄れてしまうような英国車をいくつか紹介しよう。

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