【天才的な作品】ランボルギーニ・カウンタックの魅力が尽きない理由
公開 : 2020.07.11 10:50
スーパーカー全盛期の1974年に登場したランボルギーニ・カウンタックは、壮観なスタイリングと素晴らしいメカニズムを持つ特別な1台。極上のサウンドですべてのドライバーを夢中にさせる、永遠の名車です。
二度と現れない伝説のスーパーカー
ランボルギーニ・カウンタックがこれほどまでに壮観に見えてしまうのは、ある意味で残念なことである。
なぜなら、そのスタイリングゆえに、どれほど素晴らしいマシンなのか印象が薄れてしまうからだ。
1974年から1990年までの16年間に製造されたのは2000台に満たない。
しかし、これほどの驚異的なプロポーションと冒険的なメカニカルレイアウトを持つスーパーカーは、もう二度と出てくることはないだろう。
マルチェロ・ガンディーニが描いたデザインは驚異的で、ルーフは非常に低く、シザードアは目を見張るほどセンセーショナルで、カウンタックの小ささにしばらく気づかなかった。
全長はフォード・フォーカスよりも少なくとも20cmは短く、全幅も広くはないが、80年代の全盛期には「大きい」とすら表現されることがあった。
わずか全長4.1mのクルマが、今の時代に「大きい」と言われることがあれば素晴らしくはないだろうか。
参考までに、現在のマツダ・ロードスターの全長は3.9mである。
このコンパクトさのカギは、エンジニアのパオロ・スタンツァーニが、ミウラ由来の60度V12(当初は4.0L、後に5.0Lと5.2L)をリア・ミッドシップに搭載すると決めたことにある。
トランスミッションは運転席と助手席の間に設置されている。
リアから伝わった駆動力は、ここで180度回転して後輪へ送られていく。
コンパクトなシステムで、すべての車に採用できるわけではないが、カウンタック(エンジン音によってギアのうなり声をかき消す)にとっては、天才的なアイデアだと思う。
スタイリングの良さは称賛に値するが、特に初代のLP400は素晴らしい。
しかし、ランボルギーニがその後いくつもの段階を経て、繊細なボディラインやホイールアーチを損なうようなボディパーツを装着したことは理解に苦しむ。
ガンディーニ自身が(より近代的なホイールとタイヤを使用できるようにするために)そのようなものをクルマに付けたのか、あるいはそれに同意せざるを得なかったのかは分からない。
いずれにしても私の中では、初期LP400は天才的な作品だと思っている。
後のモデルも素晴らしいが、80年代後半にカプリに装着されていたような安っぽいボディパーツの追加をランボが許すべきではなかったと思う。
それでも、次に登場したディアブロと比較してみると、カウンタックの優位性は明らかだ。
画像 カウンタック(25thアニバーサリー、LP5000S)、ミウラ、ディアブロ【ランボルギーニの猛牛たち】 全123枚