【存続の危機?】ジュネーブ・モーターショー2年連続中止 背景にメーカーの大型ショー離れ
公開 : 2020.07.17 18:38
ジュネーブ・モーターショーの、2年連続中止が発表されました。パンデミックの影響により、デジタルイベントや小規模イベントへの移行が進む中、モーターショーの存続をかけた大幅な変革が求められています。
モーターショーの存在意義
自動車業界最大のイベントの1つである、ジュネーブ・モーターショーが、2年連続で中止されることとなり、改めて大型モーターショーの存在意義が問われている。
2020年3月に予定されていたジュネーブ・モーターショーは、新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、開催数日前に中止が決定された。
これにより、主催財団の財務状況は悪化し、すでに出展費用を支払い、準備の最終段階にあった多くのカーメーカーの混乱を招いた。
主催財団は、ほとんどの出展者が、パンデミックの影響から回復するには時間が必要と判断し、ショーに参加しない意向を示しており、2022年まで開催を延期することを希望したため、2021年についても中止を決定したと述べている。
また、主催財団は、1680万スイスフラン(19億円)を超える融資を得るため、ジュネーブ州と協議してきたが、2021年のイベント中止により立ち消えとなっている。
代わりに、主催財団は、同ショーの開催権を、その会場を運営するパレクスポに売却すると発表している。
パレクスポは、ジュネーブ・モーターショーに代わる、自動車イベントを検討しているとのことだ。
出展メーカーの減少
ロックダウンと社会的距離ルールの影響により、大規模なイベントが次々にキャンセルされている。
ジュネーブ以外にも、パリ、ニューヨーク、デトロイトのショーがキャンセルされ、北京は当初の4月から10月に延期されている。
英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードも中止された。
またパンデミックによる経済的影響により、カーメーカーは負担の大きなショーへの出展を控える傾向にある。
より多くの人に見てもらうことが可能なうえ、大幅にコストを削減することができる、デジタルイベントを行うメーカーも増えてきた。
ショーで他のメーカーと競うのではなく、より適したタイミングで効率的に宣伝を行うことができるのも利点の1つだろう。
この傾向はパンデミック以前にすでに表れており、昨年のフランクフルト・ショーでは、出展メーカーが大幅に減少していた。
フォード、ジャガー・ランドローバー、ヒュンダイ、オペル・ヴォグゾール、ボルボなどのメーカーは、今年のジュネーブ・ショーへの不参加を決定していた。
近年では、主要市場でのショー、または新しいモデルの発売計画と一致するショーにのみ出展するメーカーも増えている。
ランボルギーニは、今後、大型モーターショーに出展しないことを発表した。
同社のマーケティング・チーフのカティア・バッシは「カスタマーとの親密な関係を持つことが、重要だと考えています。モーターショーは、わたし達の哲学と合わなくなっているのです」と述べ、その理由を明らかにしている。
モーターショーの衰退により、より多くの人々が1つの会場で、多くの新しいモデルに触れる機会は失われつつある。
画像 ランボルギーニ・シアンFKP 37ハイパーカー、ランボルギーニ・シアン・ロードスター【ランボルギーニの最新モデル】 全47枚