【量産最強4気筒をSUVに】メルセデスAMG GLA 45 Sへ試乗 走りに妥協なし
公開 : 2020.07.28 10:20
量産直列4気筒エンジンで最強ユニットとなるのが、AMGの45に搭載される421psユニットです。2代目へ進化したクロスオーバーのGLAにも採用。妥協のないドライビング体験が楽しめると、英国編集部は評価します。
もくじ
ーアウディRS Q3と真っ向勝負
ーNAのように最大トルクは5000rpmから
ー知的な四輪駆動システムの楽しさ
ードライビング体験の妥協は必要ない
ーメルセデスAMG GLA 45 Sプラス(英国仕様)のスペック
アウディRS Q3と真っ向勝負
かつてはニッチモデルだったが、今では当然といえる存在になった。パワフルなメルセデスAMG GLA 45だ。
初代GLAが登場したのは2014年。欧州でもSUVブーム傾向は見られたものの、まだ初期といえる段階だった。特にコンパクトな高性能SUVは、珍しい存在といえた。
パワフルなアウディRS Q3に対抗するように登場した、先代のGLA 45。一回り大きく、値段も張ったポルシェ・マカンを除いて、ライバルは不在といえる状態だった。
2020年の今は違う。BMWからはライトMと呼べるX2が登場し、フォルクスワーゲンはTロックにRを追加。ほかにも数え切れないほどの高性能SUVが売られている。古いクルマ好きの食指が動かないようなカテゴリーには、大きな需要が生まれている。
通常の2代目GLAと同様に、AMG版もより本格的なSUVへと進化。動的性能だけでなく、実用性でもアウディRS Q3に並べるようになったといえる。
サイズと重量は増加。コンパクトで軽いハッチバックのAMG A 45との違いはいかほどだろう。
英国価格は約6万ポンド(804万円)。驚いても仕方ない数字だと思う。さらに左ハンドルの今回の試乗車には、ドイツでプラス・パッケージと呼ばれる6000ポンド(80万円)ぶんの装備が盛り込まれていた。
ホイールは21インチ。空力性能に効果がありそうなボディキットに、マルチビームLEDヘッドライトを装着。高音質オーディオや電動スポーツシート、追加の運転支援システムなども搭載されている。
NAのように最大トルクは5000rpmから
その結果、試乗車の英国価格は8万7863ポンド(1177万円)にも達する。コンフィギュレーターのチェックボックスをもっと増やせば、値段はさらに高くもできる。
AMG GLA 45のメカニカルな部分は、基本的に兄弟モデルといえるハッチバックのA 45に準じる。英国にはSの付かないベースグレードが導入されないため、387ps版は選べない。AMG GLA 45 Sの1択で、2.0L4気筒ターボが生み出すのは421ps。
この4気筒エンジンは、量産ユニットの中では目下、世界最強。1L当たりの馬力は212psにもなる、ハイチューンだ。
メルセデスAMGが設定した、最大トルクの発生回転域にも注目。50.9kg-mもの力を、5000rpmという高回転域で湧出するように仕立ててある。
狙いは、ターボチャージャー特有のフラットなトルク感を消し、自然吸気のように回転上昇とともに引き出されるパワー感を生み出すため。そのかわり3000rpm以下では、アウディ製の5気筒ユニットほど衝撃的なドラマはない。といっても、充分に力強いけれど。
ドライブモードをアグレッシブなものにすれば、アフターファイヤーの破裂音やグズり音も放つが、排気音は個性的というわけでもない。しかしレブカウンターの針の動きと同時に、高まるパワー感は痛快。クレッシェンドしていくように、驚異的な速さでGLAは速度を乗せる。
メルセデスAMGによれば、GLA 45の0-100km/h加速は一般的な条件で4.3秒。ベストコンディションなら、4秒を切れるかもしれない。