【なぜマツダ、こんなにファンと関係近い?】ロードスターの存在 広島という土地柄 スバルとの違いは?

公開 : 2020.07.28 12:05  更新 : 2020.07.29 07:14

桃田健史が「2020ロードスター展」にゆきました。マツダR&D横浜が会場ですが、主催はロードスター・クラブ・オブ・ジャパン。あくまでマツダ株式会社は協力。マツダとファンの近さを他社と比べます。

あくまでもファンが主役のイベント

text:Kenji Momota(桃田健史)

良かった。今年も例年通り、まったりとした会ができた。

7月の四連休、JR新子安駅に近いマツダR&D横浜に全国各地から「ロードスター」ファンが顔を見せた。

2020年ロードスター展のもよう。
2020年ロードスター展のもよう。    桃田健史

イベント名称は、2020ロードスター展。当初予定だった7月11日~26日が若干後ろ倒しとなり、7月23日~8月9日の開催とした。

7月四連休以外は、土日の実施だ。

正面玄関には、次のような張り紙がある。

「2020年ロードスター展にようこそ。2009年から毎年夏に、ロードスターファンが集まれる場として開催しています。ごゆっくりお楽しみください。主催:ロードスター・クラブ・オブ・ジャパン 協力:マツダ株式会社」

このように、イベントをやるのも、来るもの、ロードスターファンであり、マツダファンたち。

あくまでも、メーカーであり販売者であるマツダは、ファンをバックアップするという姿勢である。

日頃は次世代車開発や先進デザインの研究をおこなっている、企業機密満載の施設をファン主導の運営目的で提供するというのは、自動車メーカーとしては極めて稀だ。

なぜ、ここまでのことができるのか?

その背景にあるのは、もちろん、メーカーとファンと間の信頼関係があるからだ。

マツダとファンは、距離が近い。

だからこそ、こうしたまったりとした空間が自然と出来上がる。

自筆サインをもう一度見たい

今回、2020年ロードスター展に足を運んだ大きな理由は、あのサインをもう一度見たいと思ったからだ。

横浜R&Dセンターのエントランスの展示スペース。通常はマツダ本社所蔵の古き良き時代のマツダ車が飾られている。

2020年ロードスター展のもよう。
2020年ロードスター展のもよう。    桃田健史

2020年ロードスター展では、そのスペースに3台のロードスターが並んだ。

手前から、ND(4代目)、NC(3代目)、NB(2代目)である。各車のボディ面には、ロードスターを愛する人たちの自筆サインが描かれている。

このロードスターたちは、生誕10周年記念、20周年記念、そして30周年記念としてロードスター・クラブ・オブ・ジャパンが大切に保管しているもの。

それぞれが全国各地のファンイベントを巡って、10年ぶりの記念日を祝った証である。

NDのフロント部分、マツダのエンブレムの右側に、筆者(桃田健史)のサインもある。2019年ロードスター展で書いたものだ。

その後、このNDは「ロードスター30周年ミーティング」(2019年10月13日:広島県三次自動車試験場)に姿を見せた。

ここでもマツダ本社はあくまでもわき役。ファンが作るファンイベントを支えた。

さらにいえば、マツダ社内には数多くのマツダファンがある。マツダファンだから、マツダに就職した人たちだ。

一方、スバルは……。

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