【続々、eパワー攻勢】日産復活なるか? 日本はZ/エクストレイル/ノート投入 マグナイトも!?

公開 : 2020.07.30 05:50  更新 : 2021.04.22 13:28

日産は2020年度第1四半期決算発表をおこないました。純損益は2856億円。配当については無配。復活へむけて日産に何ができるのか。マーケットごとの取り組みのほか、日本市場の新車戦略をわかりやすく伝えます。

今期は無配

text:Kenji Momota(桃田健史)

厳しい状況への対応がすっかり板についた。

内田誠CEOのオンライン記者会見の様子を観ながら、そう感じた。

会見の中で、内田CEOは日本市場では、eパワーをさらに拡充すると話した。
会見の中で、内田CEOは日本市場では、eパワーをさらに拡充すると話した。    日産

日産自動車は2020年7月28日午後5時から、2020年度第1四半期決算発表をおこなった。

それによると、売上高は1兆1742億円で、前年同期比50.4%減と大幅な落ち込み。純損益は2856億円となった。

原因はもちろん、世界的な新型コロナウイルス拡大の影響だ。自動車市場全体で見ると、前年同月比44.5%減の1249万台。これに対して日産は、47.7%減の64万3000台だ。

また、「今後の市場動向を見通すことは困難」として公表を見送っていた通期見通しについても発表した。

売上高は7兆8000億円で、純損益は6700億円。2年連続で赤字決算となるのは20年ぶり。配当については無配を決めた。

今後、市場がどのように回復していくと見込んでいるのか?

内田CEOは「第1四半期は我々の想定以上に世界全体での落ち込みが大きかった。地域によって当然差はあるが、第2、第3四半期で徐々に回復の傾向が見え、第4四半期で回復する」との予測を示した。

むろん、感染拡大の第二波に対する懸念はあり、地域それぞれの社会情勢を見ながら、適時適切な対応策を講じると補足している。

では、主要な販売地域である北米、中国、そして日本について、新規導入モデルを含めて今後の動向を予測していきたい。

安売りをやめる

「日産は利益を無視して叩き売りをし、数を稼いでいるだけだ」

長年に渡り、アメリカでの日産の販売体質について、自動車メーカー各社は厳しい見方をしてきた。

こうした体制に対して、すでにメスを入れた。

今回の決算会見で、内田CEOは「卸売りへのプレッシャー」という言葉を何度か使った。

つまり、北米の日産事業を取りまとめる北米日産がこれまで、販売店に対して過度な販売台数を押し込んできた、ということだ。

多めの数を引き当てられた販売店に対して、北米日産は販売奨励金(インセンティブ)をばら撒き、ローン販売での利率を下げ、より多くの新車をさばくことに注力してきた。

新車といっても、フルモデルチェンジは極めて少ない。アメリカでは商慣習として、イヤーモデル(年次改良)という表現で、小規模なマイナーチェンジをおこなうが、こうした既存車を売りさばくことが、北米日産にとっても販売店にとっても、当たり前になっていた。

さらに、アメリカではフリートと呼ばれるレンタカーなどへの一括販売でも、利益率を下げて数を稼いできた。

こうした体制を全面的に改めた。

小売りでのシェアは4.9%から5.4%へと拡大。また、フリートは1/5まで一気に絞った結果、1台あたりの利益は700ドル(約7万3000円)上昇した。

新型車も4モデル導入する……。

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