【詳細データテスト】ポルシェ・タイカン 正真正銘ポルシェのスポーツカーでありドライバーズカー 重量を感じさせない走りと快適性 デジタル偏重の内装は使い勝手に劣る

公開 : 2020.08.08 11:50  更新 : 2021.02.10 17:27

ポルシェ初のピュアEV、タイカンがロードテストにいよいよ登場。その重量やモーター駆動であることから懐疑的でしたが、すべてはいい意味で裏切られました。EVという枠を超えて、驚異的なドライバーズカーでした。

はじめに

今週取り上げる1900万円オーバーで760psオーバーの電気自動車、ポルシェタイカン・ターボSについて、まず理解しておくべきことは多い。

このクルマ、正真正銘のポルシェ製ではある。とはいうものの、ポルシェ信者や、かなりのカーマニアであっても、容易に受け入れられるものではないだろう。

テスト車:ポルシェ・タイカン・ターボS
テスト車:ポルシェ・タイカン・ターボS    OLGUN KORDAL

ところが、シュトゥットガルトはツッフェンハウゼンに構えるポルシェプラッツ1に籍を置く面々は、このタイカンをなによりもまずスポーツカーであると考えている。おそらくは、これがもっとも重要だ。

高速サルーンやスマートな高級GTではないのだ。4枚のドアと、非常に実用的なキャビンを備えているにもかかわらず。また、目新しいだけのにぎやかしやブランドを無駄にアピールするだけの徒花、はたまたタイヤのついた戦略ミサイル的な、新興EVメーカーに多くみられる一発屋なクルマでもない。

ポルシェの主張によるなら、タイカンは間違いなくポルシェの名にふさわしいスポーツカーだということになる。たとえその中身が、これまでのポルシェより斬新だったとしてもだ。

ポルシェは、このクルマの発売に向けたプランを慎重に進めてきた。旧来の顧客を安心させるべく、内燃エンジンを積む911や718の生産を急に終了して、電動化を望まない相手に電気モーターを乗せたクルマを買うよう無理強いする道は選ばなかったのだ。

とはいえ、昨年のタイカン発表の席上で、ポルシェを率いるオリバー・ブルーメは、このクルマと、彼の会社に訪れた「新時代」を歓迎しているムードを強く打ち出している。

われわれは今回、タイカンの最上級バージョンをテストする。ここでは、見た目からサイズや重量、走行性能や使い勝手など、オートカーの厳密な基準で計測・評価する。主観的にも客観的にも精査し、このクルマへの理解を深めていきたい。

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