【ドライバーズSUV】アルファ・ロメオ・ステルヴィオ ・クアドリフォリオへ試乗 小変更
公開 : 2020.08.17 10:20
フェラーリ由来のV6ツインターボ・エンジンを搭載するSUV、ステルヴィオ ・クアドリフォリオ。激しくなるライバルとの戦いに備え、マイナーチェンジを受けました。従来の弱点を克服したのか、英国編集部が評価しました。
もくじ
ーフェラーリ由来のツインターボV6エンジン
ープラットフォームはジュリアと共有
ー質感を向上させたインテリア
ー妥協なく強い特徴を持たせた高性能SUV
ーアルファ・ロメオ・ステルヴィオ ・クアドリフォリオ(英国仕様)のスペック
フェラーリ由来のツインターボV6エンジン
標準仕様のステルヴィオが発表された当初、それほど強いインパクトはなかった。2016年にアンベールされたアルファ・ロメオ初のSUVに搭載されていたのは、家族に優しいディーゼルエンジン。クルマ好きのハートを掴むには至らなかった。
ところが追って姿を見せた、ステルヴィオ ・クアドリフォリオに搭載されていたのは、フェラーリ製ユニットから派生したV6エンジン。最高出力は510psにも届き、幸せの四つ葉のクローバー、ジュリア・クアドリフォリオとプラットフォームは共有していた。
アルファ・ロメオは、SUV人気の流れに乗ろうと努力していた。しかも、古くからの自動車ファンの志向も、ちゃんと意識していたのだ。
AUTOCARでロードテストとして詳細な評価を行ったのは、2019年の初め。満点は得られなかったものの、ディーラーで買えるSUVとして、ベストと呼べる1台だと評価している。
そんなドライバーズカー志向の強いステルヴィオ ・クアドリフォリオが、マイナーチェンジを受けた。2020年の残りを悔いなく過ごすべく、装備類も改められている。
先日ご紹介したジュリア・クアドリフォリオと同様、ステルヴィオも8.8インチ・タッチモニターによるインフォテインメント・システムを獲得。運転支援システムも大幅にアップデートを受け、インテリア素材の質感も高められている。
プラットフォームはジュリアと共有
見た目では、テールライト・カバーがスモーク処理に。カーボンファイバー製のフィニッシャーが付く、アクラポビッチ製のマフラーは、オプションだ。試乗車には装備されておらず、少々残念だった。エンジンやシャシー周りでは、目立った変更はないという。
ステルヴィオがベースとするのは、アルファ・ロメオが新開発したジョルジオ・プラットフォーム。サスペンションはフロントがダブル・ウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。アダプティブ・ダンパーも標準装備される。
クアドリフォリオが積む2.9L V6エンジンのスペックは変わらず、510psと61.1kg-m。Q4と呼ばれる四輪駆動だが、通常の走行時は後輪のみを駆動する。スリップを検知すると、最大でフロントへ50%のトルクが分配される仕組み。
ステルヴィオ ・クアドリフォリオで満点を得られなかった理由の1つが、英国では7万ポンド(945万円)を超える、価格に不釣り合いなインテリア。内装パネルのテクスチャや、組み立て品質は期待以下。あからさまなプラスティックの使用量が多すぎた。
ただし使い勝手は良好で、運転環境や人間工学的にも不備はなかった。ほかのスポーティなSUVと比べれば、やや背もたれが倒れ気味の運転姿勢も悪くない。
もう1つ点数が伸びなかった理由は、SUVとしての乗りやすさ。もちろん、ステルヴィオを本物のドライビングマシンに仕立てるべく、エンジニアが良い仕事をしていることは間違いない。
目的通りステルヴィオ・クアドリフォリオは、エキサイティングでドライバーとの一体感が強い、パフォーマンスSUVに仕上がっている。SUVとして、興奮するようなドライビング体験が得られる。