【リーダー不在?】カルロス・ゴーンはルノー・日産・三菱に必要だったのか
公開 : 2020.08.30 23:33
カルロス・ゴーン元最高経営責任者が逮捕されて以来、彼が率いてきたルノー・日産・三菱アライアンスは大きく後退しており、その結びつきの強さに疑問が生じています。彼の存在意義、そして解決策について考えます。
ゴーン逮捕後の急激な落ち込み
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驚くべきことに、カルロス・ゴーンの逮捕からもうすぐ2年が経とうとしている。
さらに驚くべきは、ゴーンが去って以来、アライアンスパートナーである日産、ルノー、三菱の落ち込みようだ。
この3社の急落は、外部の状況変化に伴う結果なのか、それともトップを解任したことの因果なのだろうか?
刑事被告人を褒める意図はないが、ゴーンは大胆な計画性よりも、パートナーシップをつなぎ合わせることに能力を発揮していたのかもしれない。
彼は、この不整合なグループを結びつける接着剤だったのだろうか?
自分の存在意義を軽んじることのないゴーンは、この夏の初めにフランスのマスコミに対し、自分なりの見解を語った。
「日産とルノーの結果は哀れだ。両社は内向きになっている。ルノーと日産の間には、もはや本当の意味での経営のミックスは存在せず、不信感に満ちた距離感がある」
ゴーンはこの取材の際、2018年11月に独房に閉じ込められてから2020年6月までの間に、日産の株価が55%、ルノーの株価が70%下落していたのに対し、ゼネラルモーターズは12%、トヨタは15%の下落だったことを受け、次のように述べている。
「世界的な危機と、日産やルノーの危機があったが、その規模は全く違っていた」
もちろん、不正行為により逮捕されたこと、日本の司法制度の欠陥を指摘したのちレバノンへ逃亡したことを考えると、彼がそう語るのも当然かもしれない。彼はあくまで自身の重要性を語っている。
だが、アライアンスの問題は減速する気配を見せていない。
日産は今年度も6700億円の損失を見込んでおり、過去10年で最低の売上高を記録している。ルノーは今年の上半期だけで72億9000万ユーロ(約9000億円)の赤字を計上。そして三菱は3600億円の損失と、15年間で最悪の売上高を予測している。
ゴーンが主張したように、低迷を受けた3社の対応は、いずれも内側に目を向けたものとなっている。
日産はグローバルでの販売を縮小し、戻せるものは国内に戻している。ルノーも同様に、規模よりも収益性を重視し、欧州に焦点を当てている。三菱も大幅な縮小に踏み出し、欧州から引き揚げた。
現在のところ、各社はそれぞれ自身の問題に気を取られ、グループの問題に取り組もうとしていないため、「アライアンス」の存在が宙ぶらりんの状態になっているようだ。
私のような傍観者からすれば、グループで全面的に取り組むか、それとも脱退するかのどちらかだ、という結論に至らざるを得ない。
残念なことに、最良の解決策は、3社がずっと持っていたものかもしれない。