【ホンダと日産合併、実現したら】NSXとGT-Rは共存できる? CR-V/エクストレイル兄弟車に? Nボックスは?

公開 : 2020.08.18 11:40  更新 : 2021.04.22 13:28

英紙フィナンシャルタイムズのスクープ記事が大きな話題になっています。日本政府が2019年末にホンダと日産合併を模索したという驚きの内容です。もし合併していたらどんなモデルが誕生したのか考察してみました。

ホンダ/日産合併? 衝撃ニュース

text:Kenji Momota(桃田健史)

「ホンダと日産が合併」という、文字。英国の有力経済紙フィナンシャルタイムズの記事に、驚いた自動車業界関係者は数知れない。

これは実現しなかった話だが、日本政府から両社に打診があったことは明らかだと、同紙では複数の関係者の証言をもとに取材を進めたという。

「ホンダと日産が合併」。フィナンシャルタイムズが報じた。
「ホンダと日産が合併」。フィナンシャルタイムズが報じた。    日産/ホンダ

2019年末に話が持ち上がり、2020年に入って両社内での協議があったが、この議題が取締役会にかかることはなかったという。

この報道の真偽について、ホンダ、日産、さらに日本政府からはコメントは出ていない。

この日本政府とは、いったいどの部署なのか?

霞が関の中央省庁で自動車産業と直接的な繋がりがあるのは、大きく2系統ある。

1つは、国土交通省だ。自動車局では型式認定、リコール、排気ガス規制など技術面での法解釈、また道路などインフラについてあ道路局が担当する。

もう1つが、経済産業省の製造産業局・自動車課だ。米中日間の貿易交渉から、EVなど電動化や自動運転などの実証試験など、経済面で対応する。

今回の話は、最終的には国土交通省、経済産業省と連携するにしても、安倍政権ですっかりお馴染みとなった、官邸主導の動きだったのだろうか?

事の真相は、時期を見て明らかになるのかもしれないが……。

自動車メーカーの2トップ体制狙い?

それにしても、なぜ2019年末というタイミングで、政府側がホンダ/日産の合併の可能性が模索したのか?

経済産業省では長年に渡り、「日本経済は自動車産業による一本足打法」という表現を使ってきた。同省の資料によると、関東圏で各種産業の生産高で見ると、過去20年間程で自動車産業以外の産業の衰退が明白であり、自動車産業の一本足状態が年を追うごとに目立ってきている。

ナンバー2どうしを合併させ、トヨタを含めた2トップ体制で日本経済の足元固めをする、という発想が生まれても不思議ではないが、ルノー日産三菱にホンダが加わるアライアンスは、やはり無理があろう。
ナンバー2どうしを合併させ、トヨタを含めた2トップ体制で日本経済の足元固めをする、という発想が生まれても不思議ではないが、ルノー日産三菱にホンダが加わるアライアンスは、やはり無理があろう。    ルノー日産三菱

一方で、世界の自動車産業界は、ドイツのダイムラーが多用したことで一般名詞化した、CASE(コネクテッド/自動運転/シェアリングなどの新サービス/電動化)の大波が押し寄せている。

豊田章男トヨタ社長の常套句となった「100年に1度の大変革期」という状況にある。

その上で、日本自動車産業界は、トヨタ1強体制が目立つようになる一方で、日産はゴーン問題を発端とした大規模な経営立て直しが迫れている。

また、ホンダは事業の一部で米GMとの技術連携はあるものの、事業全体では長年に渡り、一匹オオカミ体制を貫いてきた。

そんなナンバー2どうしを合併させ、トヨタを含めた2トップ体制で日本経済の足元固めをする、という発想が生まれても不思議ではない。

とはいえ、ルノー日産三菱にホンダが加わるアライアンスは、やはり無理があろう。

でも、仮に合併していたら……。

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