【詳細データテスト】モーガン・プラス・フォー 新設計ながら雰囲気満点 一線級の加速性能 足回りはチューニングの余地あり

公開 : 2020.08.22 11:50

新世代モーガンのエントリーモデルをテスト。軽量シャシーとパワフルなエンジンは、一級品の動力性能を実現。乗り心地は旧式のモーガンをはるかに凌駕していますが、こちらは現代レベルに達していませんでした。

はじめに

昨年、英国屈指の古参メーカーが、外の世界に目を向ける、現代的な新時代の幕を開いた。100年以上にわたり創業家が所有し経営してきたモーガン・モーター・カンパニーだが、アストンマーティン・ラゴンダの株式も保有するイタリア系ベンチャーキャピタルのインベストインダストリアルが支配株主となったのだ。

同じく2019年には、じつに数十年ぶりの完全新設計モデルが生産を開始。まったく新しいアルミ素材のプラットフォームには、このウスターシャーに居を置くメーカーがはじめて導入したBMW製の最新ターボユニットを搭載した。フラッグシップとなるプラス・シックスだ。

テスト車:モーガン・プラス・フォー
テスト車:モーガン・プラス・フォー    OLGUN KORDAL

それに続いたのが、やや小さく、軽く、安価な、そしてよりトラディッショナルな弟分だ。そう、今回のテスト対象となるプラス・フォーである。

伝統は、モーガンの魅力の根幹をなすコンセプトだ。とはいえ、この言葉をプラス・フォーにあてはめようというなら注意が必要だろう。というのも、これは1936年の4/4以来、綿々と受け継がれてきたスティールのラダーフレームと決別した最初の4気筒モーガンだからだ。

84年もの間、使い続けられたプラットフォームはまずない。モーガンの基準に照らして伝統的と呼べるロードスターをこよなく愛する保守的なフリークならば、その言葉を新型車のプラス・フォーに用いようとは思わないはずだ。

それでも、プラス・フォーは4気筒の四輪車だ。たしかにそのエンジンは、兄貴分のプラス・シックスと同じく、ミュンヘンから供給される過給ユニットである。だがそのほかの点で、プラス・フォーの精神とデザインテーマには、モーガンが造り続けてきたクラシックな英国製ロードスターのレシピに連なるところが色濃く見受けられる。

となれば、知りたいではないか。モーガンがあえて2020年の今、クラシックな出で立ちで世に問う完全新作が、どの程度近代的に仕上がっているのかを。

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