【優位さを保つマイナーチェンジ】ベントレー・ベンテイガへ試乗 4.0L V8 前編
公開 : 2020.08.23 10:20
高級大型SUV市場をリードするベントレー・ベンテイガが、モデル中期のマイナーチェンジ。ボディやインテリアなど、合計で1000項目以上の改良を受けました。AUTOCAR英国編集長の、一般道での評価を見てみましょう。
述べ2万台をデリバリー
ベントレー・ベンテイガが登場したのは、2016年。世界的に大きな成功を収めているものの、フラッグシップSUVとして、スタイリングの評判を当初からベントレーは気にかけてきた。
長い歴史を有するベントレーとして、最も順調に販売台数を伸ばしているベンテイガ。4年間で4000台から1万1000台以上へと、3倍近い市場規模へ膨らんだ高級大型SUVの中で、強いポジショニングを築いている。
ベンテイガの直接的なライバルとして、ロールス・ロイス・カリナンやランボルギーニ・ウルスも目立った存在感を持っている。どちらも、ブランドとして成功を収めていることは読者もご存知だろう。アストン マーティンDBXも、ここへ参戦することになった。
述べ2万台のベンテイガがオーナーへと渡り、デザインへの批判的な意見は、だいぶ小さくなりつつある。しかし、なくなったわけではない。競争の激しい世界でライバル以上の戦いをするには、常に最新のマーケティングを取り込む必要がある。
2020年のモデルイヤーに向けて、ベントレーはベンテイガへ全面的なアップデートを施した。合計で1000項目以上の手直しを受けたという。
アップデートの中心の1つは、スタイリング。最新のコンチネンタルGTやフライングスパーなど、今のベントレー像を反映するデザインが、細部にまで与えられた。
最新のベントレーらしさを得たデザイン
特にフロントグリルは、他モデルとの共通性を感じる部分。大型化され、角度は起こされた。
グリルへ引っ張られるようにヘッドライトも角度が起き、エキゾチックな楕円形に。ガラス製カバーの内側で、クリスタルカットのリフレクターが強い眼光を生んでいる。
片側48灯のLEDが内蔵されたマトリックス・ヘッドライトで、対向車のドライバーに配慮する、ハイビーム機能を内蔵する。ワイパーは、フロントガラスの拭き取り効果を高めるため、ウオッシャー液の噴出口が22個も並ぶ。
リア周りでは、デザインし直されたテールゲートに、楕円形のスリムなテールライトがスッキリと収まる。整理整頓されたレイアウトだと思う。バンパーの下部には、テールライトと呼応する形状のマフラーが顔を出す。
リアのナンバープレートの取り付け位置は、バンパーの下側へ移動。はるかに見た目が良い。
ボディ全体では、地面と近い位置にキャラクターラインが入り、より多くの光を反射させる。リアスポイラーも大型化された。
ホイールとボディとの位置関係も見直されている。新デザインの22インチ・ホイールが、フェンダーにバランス良く収まる。リアトレッドは20mm広げられ、操縦性も高められている。
ボディデザインをまとめるJPグレゴリーによれば、大径ホイールを履く、より大胆で現代的なマシンに仕立てたとしている。ボディは大きいもののプロポーションが良いから、離れた位置から見ると、ひと回り小さく感じられるほど。