【ダイムラーから工場取得か】イネオス・グレナディア 旧スマート工場を転用して生産へ
公開 : 2020.08.20 19:50
英国の新興自動車メーカーであるイネオスは、4×4の「グレナディア」の生産をウェールズとポルトガルで行う計画を変更し、現在ダイムラーがスマートを生産しているハンバッハの工場を転用する方向で交渉に入ったようです。
ダイムラー工場の取得案が浮上
イギリスで最も新しい自動車メーカー、イネオス・オートモーティブはフランス東部にあるハンバッハの工場を、ダイムラーから取得しグレナディアの生産を行うべく、交渉を進めていることを認めた。
これは現在シャシーをポルトガルで生産し、ウェールズのブリジェンドで最終組み立てを行うという工程を刷新するものとなる。
7月に発表された声明によれば、イネオスは「Covid-19の流行に伴う生産遅延を受け、グレナディアの生産ストラテジーを見直しました。これにより、今までにない生産能力を手にする機会がもたらされています」と発表している。
「特に、イネオス・オートモーティブはメルセデス・ベンツからフランス・ハンバッハの工場を引き継ぐための詳細な交渉に入っています。この結論が出るまでの間、ロックダウンしていたウェールズ工場やポルトガルでの生産再開を一時的に停止しました。詳細は数週間のうちに発表できるでしょう」
この案は先月浮上したばかりだが、ダイムラーが従来スマートを生産してきたハンバッハ工場に大型のSUVを生産できる設備を整えたことが魅力のようだ。これはグレナディアの生産にも適していることから、これが採用される可能性が高いと見られている。
生産キャパシティを改善
イネオスの生産部門は「深刻なオーバーキャパシティ」に悩まされており、それが今回のパンデミックでさらに深刻化したようだ。
イネオス・オートモーティブのディルク・ハイルマンCEOはこう語る。「もちろんわれわれは以前にも同様の案を検討しました。しかしCovid-19の流行により、ハンバッハ工場の入手という新たな選択肢が浮上したのです。現在の環境において、何が最善かを模索し続けてきました」
ハイルマンは「コロナウイルスはわれわれの生産計画に大きな影響を与えました」と続ける。「ソーシャルディスタンスを確保しなければならなくなり、建設工事も中断を余儀なくされました。安全はもちろん最優先ですが、ビジネスにおいて何が最適かも考えなければなりません」
先週ウェールズの首席大臣がBBCに語ったところによれば、彼らがグレナディアの生産拠点をウェールズのブリジェンドに設けることにより、最大500人の雇用が創出されるとのことだ。しかし、イネオスが昨年この意向を示して以来、公式なアナウンスは発表されていない。