【モデル2誕生なるか?】テスラ・モデル3 手頃なハッチバック仕様を計画中
公開 : 2020.08.26 11:20
テスラは手頃な価格帯のクルマの販売を目指し、フォルクスワーゲンのID.3に対抗する小型車を計画しています。モデル3のハッチバック仕様と考えられており、新しい製造技術によりコスト削減を図っています。
小型で安価なモデルに注力
テスラのイーロン・マスクCEOによると、同社は今後も世界的な販売拡大を目指し、より手頃な価格の小型ハッチバックで「レガシー」な古参メーカーの地位を奪い取ろうとしているようだ。
主にヨーロッパをターゲットにしたこの新型車は、既存のモデル3のスタイルを改良したもので、ドイツのベルリン近郊にあるテスラの新工場で生産される可能性があると考えられている。
マスクは投資家やアナリストに対し、最近の電話会議で次のように述べている。
「クルマを手頃な価格にしなければ、わたしたちの使命は果たせません。わたしを最も悩ませているのは、テスラのクルマは十分に手頃な価格ではないということです。わたしたちはそれを修正する必要があります」
具体的な内容は明らかにされていないが、マスクは「コンパクトなクルマと、大容量のクルマを作ると考えるのが合理的だろう」としている。
テスラはまだセミ、ロードスター、サイバートラックなどの生産を開始しなければならないことを考えると、かなり先の話になりそうだ。だが、フォルクスワーゲンID.3やプジョーe208などと競合するためには、モデル3よりもっと手頃なクルマが必要だ。
車名は「モデル2」になる?
2021年7月に完成し操業開始予定のドイツ工場は、マスクが「自動車の車体工学における革命」と表現している巨大なアルミ鋳造機のおかげで、小型かつ安価なモデルの生産拠点となる可能性がある。
この機械は、従来であれば複数のパネルや部品を折り曲げたり、溶接したり、接着したりして行われていたユニボディフレームの組み立て工程を大幅に簡素化できるという。テスラは昨年、このデザインの特許を申請している。
マスクによると、この機械はすでにカリフォルニア州の工場でモデルYの生産に使用されており、フレームを構成する個々の部品を70個から2個に減らすことが可能で、より安く、よりシンプルに生産できるという。
新しい機械とその結果として得られるクルマの構造的剛性により、理論的にはモデル3をコンパクトハッチバックにすることも簡単にできるだろう。
これはID.3のライバルとして、必要なレベルまで製造コストを削減するための重要な要素になるだろうが、同時にパワートレインの性能と航続距離を抑えなければならない可能性もある。
最も遅いモデル3でも0-97km/hをわずか5.3秒で走破しているので、性能を多少落としてもライバルに勝てる余地は十分にある。しかし、バッテリーが製造コストの4分の3を占めることを考えると、現在の50kWhバッテリーから小型化される可能性が高い。
もう1つ気になるのはネーミングだ。マスクは以前、テスラの命名規則である「S3XY」から脱却したいとほのめかしていたが、新しい方向性はまだ明らかになっていない。
自然な流れとしては、コンパクトハッチバックをモデル2と呼び、ラインナップの中でモデル3よりも下の位置にあることを示すだろう。