【スバル・アイサイトの裏事情】なぜ技術で他社先行できる? ぶつからないクルマ スバルにしかない拘りとは?
公開 : 2020.08.27 05:50
スバルが新型レヴォーグを発表し、アイサイトも次世代型へと大きな変貌と遂げました。衛星測位を使ったアイサイトXも登場するなど、他社を引き離しています。アイサイトのどこが優れているのでしょうか?
スバル・イメージ 継承と超・革新
スバルといえば……。
水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、WRC(世界ラリー選手権)、雪道走行が得意な生活四駆。
従来のスバルイメージに加えて、最近のスバルといえば、アイサイト。
それが一般常識になっている。
なぜなのか?
アイサイトが世界市場において、高度運転支援技術(ADAS)の分野をリードしてきたからだ。
技術進化に対して、スバルは手を緩めることはなく、周知の通りさらなる進化を遂げた。
今年(2020年)10月15日に日本国内発売が始まる、新型「レヴォーグ」ではスバルが「次世代アイサイト」と呼ぶアイサイトとしてのフルモデルチェンジをおこなう。
ハードウェアとしては、ステレオカメラを刷新し、さらにフロントバンパー両端に周波数帯域77GHzミリ波レーダーを装着。
これにより、交差点での右折対向車では自車速度1km/h〜約20km/h、対歩行者では自車速度10km/h~20km/h以下で衝突回避をおこなう。
目の前を横断する自転車についても、自車速度約20km/~60km/hで対応する。
また、電動ブレーキブースターを新採用し、衝突回避の精度をさらに上げた。
こうした、道路環境のどこで、どのような対象物に適合するかは、大前提として世界的な共通認識がある。
それが、JNCAPやユーロNCAPに代表される、アセスメントという考え方だ。
そもそもアセスメントとはなにか?
クルマの性能の基本は、走る・曲がる・止まるの三要素だ。
車両スペックでの性能表記は、エンジン出力・トルク、そして燃費。電動車では満充電での航続距離。乗り心地やハンドリングでは、車体構造や剛性、サスペンションのシステム。
また、インフォテインメントと呼ばれる車内での音響・画像・通信の使い勝手も重要になる。
こうした平時の走行状態での性能とは別に、緊急事態を想定したクルマの性能がある。
衝突など事故に対する、「事故後」と「事故前」の性能だ。
技術的な進化は、「事故後」が先行した。これを衝突安全性能という。衝突してしまった後に、乗員をどのようにして守るか、という観点だ。
具体的には、エアバックや、クラッシャブル(上手く壊れる)を想定した車体構造の設計、ブレーキ性能、シートベルト性能などがある。
衝突安全性能に対して、国など行政機関が主体となる第三者機関が独自に車両を購入し、衝突実験をおこなった結果と評価レベルを一般公開するのがアセスメントだ。
自動車メーカーに対してさらなる技術改善を求め、ユーザーに対してはクルマ選びの手助けとなる。
日本では1995年から各項目で順次、実施されている。
そして近年注目が集まっているのが、「事故前」。予防安全性能だ。
その筆頭にいるのが、スバルのアイサイトである。