【弱点はサビとオーバーヒート】ランドローバー・ディスカバリー2 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.09.18 10:20  更新 : 2021.07.12 18:45

正しく付き合えば、ディスカバリー2は信頼できるSUVになるとする、英国編集部。初代に似たデザインや悪路走破性、7シーターといった魅力もあります。ただし、弱点もなくはありません。中古車を選ぶ際の注意点を解説します。

段付きのルーフに、近代化された車内

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
ランドローバー・ディスカバリーだから、というべきか、1998年から2004年に製造された2代目も、信頼性や品質が高いという評判は聞かない。オフローダーとして、ファンが適切なケアをする前提でできているといってもいい。

しかし、状態の良いディスカバリー2を見つけ、正しい付き合い方をすれば、とても役立つSUVになってくれる。初代ディスカバリーより多くの技術を搭載するが、3代目ほどではない。それだけ、修理に手を焼く可能性も少ない。

ランドローバー・ディスカバリー2(1998-2004年/英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー2(1998-2004年/英国仕様)

2.5LのT5dと呼ばれるディーゼルエンジンは、初代300Tdiのユニットを大幅に改良したもの。ほかに182psを発揮する、4.0LのV8ガソリンもラインナップした。シャシーやサスペンションは、初代から確かなアップデートを受けている。

すべてのクルマではなかったが、3列目シートは横向きではなく、現代風に正面を向いている。快適性や実用性も高い。7シーターの場合、リア・サスペンションにはセルフ・レベライザーを装備する。

ディスカバリー2には、オプションでアクティブ・コーナリング・エンハンスメントが付けられた。クルマの安定性を高め、コーナリングスピードを高く保ってくれる。

見た目でのポイントは、初代ディスカバリーでも特長だった、段付きルーフを採用すること。実はリアのドアパネルは初代と共有しているのだが、全体的なデザインもかなり近い。一方で、車内はぐっと近代化されている。

シャシーのサビと冷却系統の不具合に注意

ディスカバリー2は錆びる。初代はボディのサビが悩みのタネだったが、2代目はシャシーの方。最も錆びやすいのは後端。フロントより露出部分が多く、悪路走行での影響を受けやすい。

錆びた場所によっては、部分的な交換も不可能ではない。しかし、ボディのきれいな状態を打ち消すほど、ひどい場合もなくはない。

ランドローバー・ディスカバリー2(1998-2004年/英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー2(1998-2004年/英国仕様)

エンジン全般でいえる問題は冷却系統。エアサスペンション車の場合は、セルフ・レベリングABS、通称SLABSと呼ばれるコントロール・ユニットが不調になることがある。

ディスカバリー2には、トラクション・コントロールとヒルディセント・コントロールが備わる。ランドローバー社は、ロッキング・センターデフが性能を高めると知りつつ、電子制御の力を信じ機能させていない。

一部のモデルには機構が残されており、リンケージの追加で機能させることも可能。2003年にフェイスリフトを受け、ロッキング・センターデフはオプションで選べるようになった。

フェイスリフトでは、フロントとリアのライト周りのデザインも一新。リアのウインカーが、バンパーからサイドのテールランプに移設されている。

新車当時は2万1995ポンドのエントリーグレードのEから、トップグレードのSEまで、幅広いトリムグレードが選べた。現在では、中間グレードのGSが英国市場では主流。

ディーゼルの方がガソリンよりも人気。しかしガソリン版も、トルクフルで滑らか。装備も充実し、丁寧に乗られている傾向も高い。燃費は悪いけれど。

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