【フェアレディZも見れる!】日産パビリオン横浜 オンライン新車販売/ディーラー網再編につながるか
公開 : 2020.09.19 05:50
注目をあつめている日産フェアレディZも展示されている「日産パビリオン横浜」。起死回生を狙うため、ユーザーやディーラーに向けた重要な情報発信拠点となります。新車オンライン販売に向けた布石にもなり得ます。
「日産パビリオン横浜」って何?
2020年8月1日、「日産パビリオン横浜」が期間限定でオープンした。
日産は次のように説明する。
見て、触れて、食べて、感じることができる、胸躍るような体験の数々。2020年8月、みなとみらいに誕生するこの場所であなたはきっと、想像を超えた未来を目の当たりにするはずだ。
いわゆる100年に一度の自動車産業の大変革期に、自動運転、AI(人工知能)、AR(仮想現実)など様々なイノベーションを含む「日産インテリジェントモビリティ」のショーケースとして、日産パビリオン横浜を使う。
場所は、横浜みなとみらい。日産グローバル本社から数百mほどの距離で、本社ショールームの屋外拡張版といったイメージだ。
パビリオンは楕円形で、その周辺は緑地帯を演出。EVやeパワーによる、地球環境への対応。プロパイロット2.0による、自動運転技術のさらなる活用など、現在のモデルラインナップで実現されている展示は、本社ショールームに任せて、パビリオンでは「さらにもう一歩先の未来」をどのように描くのか?
期間限定で、夏休み期間中で、といった観点で見ると、日産パビリオン横浜は、単なる家族向けの販売促進活動とも思えるが……。
果たして、そうだろうか?
急激な時代変化を追い風にできるか?
日産パビリオンはまさに、日産が起死回生を狙うため、ユーザーやディーラーに向けた重要な情報発信拠点となる。
いや、そうしなければ、日産に未来はない。
直近での日産からの情報発信を聞いていれば、多くの人がそう思うはずだ。
5月の決算報告、また6月の株主総会でも日産側が明らかにしているように、いまの日産は長きに渡るゴーン体制の悪影響により、様々な面で極めて厳しい状況に置かれている。
販売の実績だけで考えれば、フルモデルチェンジまでも車齢が長く、ディーラーからは「売るクルマがない」といわれ、ユーザーからは「買うクルマがない」と言われる場合が多かった。
そこでグローバルでは2021年11月までに12モデルを新規導入。日本では、6月にeパワー搭載の「キックス」を発表。また、リーフ以来となる新型EV「アリア」量産型を7月15日に世界初公開、日産フェアレディZプロトタイプも発表したばかりだ。
ただし、そうした商品の拡充は、日産再生に向けた氷山の一角に過ぎない。
内田CEOは「社内風土を根本的に変える必要がある」というほど、いまの日産は企業として徹底的な見直しが必要な状況にある。
企業トップがここまで言うからには、業界のしがらみや古い慣習に対してもメスを入れるのは当然であろう。
そこで注目されるのが、新車のオンライン販売だ。