【FCAとの合弁で】PSAグループ、トヨタへの小型バン増産か EUの独占禁止法対策
公開 : 2020.09.30 11:45
PSAグループはFCAの合併に際し、トヨタのバン生産台数の拡大を提案しました。合併に伴い、EUの独占禁止法に抵触する懸念があるため、トヨタのバン工場の生産能力増強により解消しようとしているようです。
EUの独占禁止法に対処
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
PSAグループは、トヨタに対する小型商用車の製造を拡大することで、FCAとの合併をめぐるEU(欧州連合)の独占禁止法上の懸念に対処しようとしているという。ロイターが報じた。
情報筋によると、PSAがフランス北部のセベルノール工場での生産能力を高めることを申し出たという。ここはトヨタと共同で運営している合弁施設で、PSAはトヨタに対し、小型バンを原価で販売するとしている。
欧州委員会は、合弁したPSAとFCAがEUの14か国と英国の小型バン市場でシェアを取りすぎるのではないかとの懸念を示していた。両社は昨年、77.5万台のトラックとバンを販売している。
合併が成功すればステランティスという事業体になるが、両社は「14の国と地域で合併承認を得ており、取引の完了は2021年の第1四半期になる見込み」との声明を発表している。
しかし、欧州委員会は決定時期の確認を拒否している。欧州委員会は7月に両社に資料を求めた際、「期限はまだ保留されている」と述べていた。
昨年12月に両社が合意した今回の買収は、承認されれば売上高ベースで世界第4位の自動車メーカーが誕生することになる。
欧州委員会は今後、両社や競合企業と協議し、買収を承認するか阻止するか、あるいはさらなる譲歩を要求するとみられる。