【マイナーチェンジでPHEV版も進化】ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッドへ試乗
公開 : 2020.10.06 10:20 更新 : 2020.10.26 12:50
ポルシェ・パナメーラの中でも、英国で高い人気を集めているのが、PHEV版。マイナーチェンジにより、サウンドやレスポンス、パフォーマンスの面で大きな変化を遂げた、と英国編集部は評価します。イギリスに持ち込まれた車体で検証しました。
英国ではパナメーラの60%がPHEV
印象的に素晴らしいポルシェ製の4ドア・グランドツアラーが、英国では10万ポンド(1340万円)ほどで購入できる。刺激的なツインターボのV8ガソリンエンジン版ではなく、経済的なプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の形式で。
5500ポンド(73万円)追加すれば、より軽量でスポーティな、V8エンジンを積んだパナメーラGTSが購入できる。しかし今回試乗したのは、パナメーラ4S Eハイブリッドの方だ。
ポルシェの調べによれば、環境負荷はドライバーにとって、大きな懸念材料になっているこという。税金的な面と同様に。
英国の場合、会社からの貸与車両として4S Eハイブリッドを選べば、V8ツインターボのパナメーラより、自動車にかかる税金を大幅に削ることができる。CO2の排出量が、51g/kmから67g/kmしかないためだ。
実際に英国では、パナメーラの販売の60%がPHEVを占めている。マイナーチェンジ版のパナメーラ4S Eハイブリッドの登場は、その割合をさらに増加させることだろう。
PHEV版パナメーラで重要な点が、パフォーマンスの点で妥協が小さいということ。4S Eハイブリッドは、V8ツインターボ版の間に位置するグレードとなり、0-100km/h加速に要する時間はわずか3.7秒。最高速度も充分以上の297km/hに届く。
ちなみにGTSでは3.9秒と299km/h。上位のターボSの場合、3.1秒と315km/hに設定されている。
ポルシェ製PHEVの新しい実力
運転の第一印象は、パナメーラに何を期待するかで大きく変わる。回転上昇とともに唸りを上げるV8エンジンの印象が強ければ、電動化されたV6エンジンの音響は物足りないだろう。
もちろん、エンジン音が聞こえてくるのは、電気モーターから主役を変わったときだけ。パナメーラ4S Eハイブリッドに期待するべきは、2021年仕様のポルシェ製PHEVの新しい実力の方だといえる。
カタログ燃費やCO2の排出量の数字を、見ただけではわからない。実際の、動的性能と経済性のコンビネーションには、驚かされた。
ポルシェによると、バッテリーが満充電であれば、8速デュアルクラッチATに内蔵された135psの電気モーターだけで、54kmの距離を走行できるとしている。今回の試乗では、48kmを超えることは確かめられた。
17.9kWhという大きなバッテリーを積むものの、300kgも車重が増えたパナメーラとしては、驚くほどの航続距離だと思う。さらに電気モーターは、V6エンジンを、特に低回転域でアシストしてくれる。
ドライブモードは6種類が用意される。Eパワーとハイブリッド・オート、Eホールド、Eチャージという選択肢が、スポーツとスポーツ・プラスのほかに選べる。
電気モーターだけでも加速は充分に力強く、128km/h近い速度まで巡航走行が可能。空気抵抗が増えるから、速度が上がるほど航続距離は大幅に短くなるが。
バッテリーの残量は管理は、ハイブリッド・オート・モードを選んでいれば大丈夫。ドライバーが管理するのは、少々面倒だ。