【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい

公開 : 2020.10.04 11:50  更新 : 2021.01.28 16:42

英国ではハイブリッドのみが導入された新型ヤリス。エンジン稼働時のノイズや、ホイールベース延長の割に広くない後席などは気になりますが、懐の深いハンドリングやしなやかな乗り心地は先代からの大きな進歩です。

はじめに

日本でもヴィッツからヤリスへ名称変更した、通算4代目となるトヨタのコンパクトカーは、原点回帰を図った。20年少々の間に、フランス工場製のヤリスは、欧州市場におけるトヨタのベストセラーへと成長してきた。量販メーカーのコンパクトカーとしては、期待通りの働きをしたといえる。

それでもトヨタが、さらなる上を目指したのだろうことは明らかだ。そこで彼らは、新型ヤリスをまったくの白紙から新規開発することとした。ところが、お気づきかもしれないが、結果としてルックスは、先代や先々代よりも、1999年に誕生した初代に似たものに仕上がった。

テスト車:トヨタ ・ヤリス 1.5ハイブリッド・デザイン
テスト車:トヨタ ・ヤリス 1.5ハイブリッド・デザイン    JOHN BRADSHAW

採用されたプラットフォームは、完全新設計のTNGA-B。これはプリウスで導入され、C-HRやカローラでもみごとな成果を挙げているGA-Cプラットフォームと関連性があるものの、まったく同一のコンポーネンツではない。

英国市場に投入されるのはハイブリッド仕様のみで、燃費やアクティブセーフティを売りにしているのは近年のトヨタ車の常道どおりだ。しかし新型ヤリスは、先代のガソリン車より大幅に向上したパフォーマンスや、ハンドリングをはじめとする走り方面の要素でもアピールしている。

興味深いことに、こうしたセールスポイントは、不自然なほど初代のそれと一致しているが、なにも偶然ではないだろう。デザインや技術面でも、走りでも、ビッグなスモールというコンセプトを打ち出したヤリスの原点へ、新型は立ち戻ろうとしているようだ。中間の、あまり冴えなかった10数年の記憶を払拭するかのように。

そうした特徴付けはともかく、ここではいつものように、新型車のクオリティやキャラクターを詳細にチェックしていく。そして、厳しい要求にさらされる、トヨタにとって重要な最新スモールカーが、欧州市場で大きなシェアを占める売れ筋Bセグメントたちの一角に食い込むだけのポテンシャルを備えているのか、その点を確かめていくことにしよう。

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