【紳士の王道SUV】ランドローバー・ディスカバリー3 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.10.07 11:50 更新 : 2021.07.12 18:45
英国が誇るSUVの名ブランド、ランドローバー。なかでもディスカバリー3(先々代)は、高い走破性能と快適性を兼ね備えた人気モデルとなっています。SUVブームの今こそ乗りたい1台。英国編集部が注意点を解説します。
SUVファンに愛され続ける3代目
複雑なサスペンションシステム、乾いた心を満たしてくれる優秀なエンジン、そして多くの電子機器を搭載したランドローバー・ディスカバリー3は決して気軽なお買い物ではない。
しかし、しっかり準備をして行けば、新型ディフェンダーの10分の1の価格で納得のいく代替車を手に入れることができる。
2004年に発売されたディスカバリー3は、実用性を重視したモデルとは一線を画している。
革新的なモノコック構造、エアサスペンション、電子制御式トラクションコントロールなどを採用し、SUVならではのオフロード性能を強化する一方で、オンロードでの快適性を大幅に向上させた。
英国仕様のエンジンには、フォードとPSAグループが開発したトルクフルな2.7Lディーゼルと、300psを発揮するジャガー製4.4L V8が存在する。
ディスカバリー3は、最高の四輪駆動モデルの1つとして自動車メディアから絶賛された。いまだに街中で見かけることも珍しくなく、バイヤーからの評価がいかに高かったかを物語っている。
「テレインレスポンス」と呼ばれるシステムによりドライブモードを切り替えることができ、オンロードからオフロードまでさまざまな路面状況に対応する。
近代化されたシャシーによって、ディスカバリー1や2よりもはるかに高いレベルで洗練された走りを実現している。
改善されていない不具合も多く残る
しかし、3代目は電装品への依存度が高くなっているため、信頼性にはやや怪しい評価を受けている。
トランスミッション、ハンドブレーキ、サスペンション、インテリア、エンジンなどの主な故障は、配線の異常に原因があることが多い。
そのような性質上、お買い得品がすぐにトラブルの元になってしまうこともある。
発売から最初の数年間で行われた数々のリコールにより、燃料と冷却水の漏れ、壊れやすいフライホイール、シートクッションの変形など、不安な点はいくつか改善されている。
しかし、巷ではEGRバルブ(排気ガス再循環装置)の故障、ハンドブレーキやトランスミッションの誤動作といった不具合の報告であふれている。
ディスカバリー3を家に持って帰る前に、最寄りのランドローバー専門家と友人になる必要があるだろう。
英国の中古車市場には何百台も並んでおり、農場用運搬車として傷だらけになった4000ポンド(52万円)のものから、新品同然の後期モデルまで幅広い。
時期に応じてグレード名は変化しているが、低~中間グレードにはS、GS、XS、またはTDV6がある。上位グレードは、レザーとハイテク装備をまとったHSEだ。
特にHSEは人気が高く、価値も維持しているが、装備が多いほど頭痛の種が増えることを心に留めておこう。