【ターボ+スーパーチャージャー+ISG】メルセデスAMG E 53カブリオレへ試乗

公開 : 2020.10.14 10:20

マイルド・ハイブリッド化された6気筒エンジンを搭載する、AMGのE 53。フェイスリフトでルックスに手が入り、技術面に磨きがかけられました。一方で従来的なAMGらしさは薄いと、英国編集部は評価します。

ボディもインテリアも、変化は限定的

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2020年は、多くのモデルでフェイスリフトが施されている。その中でもメルセデスAMG Eクラスの内容は、比較的控えめ。

知的な6気筒のマイルド・ハイブリッドを搭載するAMG E 53には、4ドアサルーンやステーションワゴンも含まれる。今回試乗したのは、カブリオレとなった。

メルセデスAMG E 53カブリオレ(欧州仕様)
メルセデスAMG E 53カブリオレ(欧州仕様)

より獰猛なAMGと共通する、パナメリカーナ・グリルを得たことに気付く読者も多いだろう。フロントバンパーは空力性能を重視し、デザインが改められた。風切り音も小さくなっている。ホイールやテールライトのデザインも、新しい。

インテリアの変更は、外観以上に小さい。インフォテインメント・システムのソフトウエアは、最新版にアップデート。おなじみのセンターコンソール上のロータリー・コントローラーと、タッチモニターで操作ができる。

加えて、ダブルスポークのステアリングホイールを獲得。横に伸びるスポーク上にはタッチセンサーが並び、ここからも操作が可能だ。

エアサスペンションは、メルセデスAMGいわく、クルマのパフォーマンスを拡張するという目的で改良を受けている。おそらく快適性を高めるという意味なのだろう。

ドリフト・モード機能付きのダイナミック・プラス・パッケージと、カーボン・コンポジット・ブレーキがオプションで選択できるようになった。AMGらしい。

ターボにスーパーチャージャー、ISGで四輪駆動

E 53のエンジンとトランスミッションに変更はない。3.0Lの直列6気筒は、ターボチャージャーと電動スーパーチャージャーで過給。429psと40.7kg-mを発揮する。

さらに電圧348Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)も組み合わされ、低回転域で21psと25.3kg-mを加勢。トランスミッションは9速ATで、ドリフト・モード時以外は、四輪駆動だ。

メルセデスAMG E 53カブリオレ(欧州仕様)
メルセデスAMG E 53カブリオレ(欧州仕様)

運転席に座ってみよう。インテリアから受ける変化は小さい。ステアリングホイールはサイズ感も丁度いいし、デザインもカッコいい。

フロントシートはゆったりとしていて、とても快適で、各部の仕上げも上質。ソフトトップの開閉は簡単で素早い。リアシートや荷室の広さは、4ドアサルーンなどと比べれば限定的だ。

AMG E 53は良く走る。乗り心地は充分に良く、ステアリングの操舵感は、そっけないものの重み付けは自然。普通に走らせている限り、乗り心地や操縦性で運転に熱くなるような要素は薄い。しかしカブリオレだから、それで構わないと思う。

4ドアサルーンやワゴンなら、ボディ剛性も上がる。ドライバーに対する訴求力は、より高いかもしれない。

筆者としては、E 53ならドライブ・モードはより少なくてもいいし、メーターパネルに表示される情報も、必要なものだけで充分だと思う。ハイパワーなE 63ではないし、カブリオレだから。

しかしメルセデスAMGは、技術的な豊かさや、情報量の多さも大切だと考えているようだ。多くのドライバーの嗜好にも、その方が合うのだろう。

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