【モデル最速のRが登場】フォルクスワーゲン・ティグアンRへ試乗 320ps獲得
公開 : 2020.10.15 10:20
ゴルフ・サイズのSUV、ティグアンに320ps版が登場。1200rpmから5200rpmという回転域で、42.7kg-mの最大トルクを得ている点が特長でしょう。アウディSQ2やBMW X2 M35iに対峙する高性能SUVを、英国編集部が評価しました。
もくじ
ーゴルフRも採用する2.0Lの4気筒ターボ
ードライブ・モードで性格は幅広く変化
ー走りはコンパクトSUV基準で称賛に値する
ーライバルと充分に競い合える
ーフォルクスワーゲン・ティグアンR(欧州仕様)のスペック
ゴルフRも採用する2.0Lの4気筒ターボ
フォルクスワーゲン・ティグアンにRが登場した。初代ティグアンの登場から13年。ついにフォルクスワーゲンは、最も高性能なグレードであることを示す1文字を、SUVのティグアンに与えた。
ブランド内のSUVとして一番の台数を売る、定番モデルの1つになったティグアン。これまでにも、Rスタイリングと呼ばれるトリムラインは存在してきた。
しかし今回ティグアンが獲得したのは、従来のゴルフRやTロックRも採用する、2.0Lの4気筒ターボエンジンの改良版。もちろんRは、ティグアンの中で最速となる。
最高出力の320psは、5500rpmで発生。最大トルクは42.7kg-mを、1200rpmから5200rpmまで、ほぼ全域と呼びたいほどの回転数で生み出す。
これを引き立たせるためか、フェイスリフト後のRより1つ下位版のティグアンには、150psと25.3kg-mという設定が与えられる。最高出力は倍以上の差だ。
トランスミッションは、7速デュアルクラッチATが標準。四輪駆動システムの4モーションは、新たに開発し直されている。後輪側にトルクベクタリング機能が追加され、リアの左右タイヤのトルク伝達量を、個別に制御できるようになった。
第2世代となる現行のティグアンだが、通常モデルとRとで識別しやすい違いは、フロントバンパー。ほかのRモデルと共通するデザイン要素も、要所要所に加えられている。ホイールはオリジナルの19インチを履く。
ドライブ・モードで性格は幅広く変化
フェイスリフトにより、最新のMEBと呼ばれるインフォテインメント・システムを獲得。英国仕様ではアップル・カープレイやライブ交通情報、マルチカラー・アンビエントライト、タッチセンサー式のエアコン操作パネルなどをカバーする。
ティグアンRとして、特別な装備も与えられる。ドライブ・モードに応じて色が変化するメーター・グラフィックのほか、スポーツシート、マルチ機能のステアリングホイールなどが特長。レース・モードへ一発で切り替えられる、Rボタンも付いている。
ペダルはスポーティなステンレス製。ダッシュボード・トリムも、R専用。通常の目線より下の位置には硬質なプラスティック製パネルが使われているが、全体的には機能的で、運転環境としても質は高いと思う。
クルマを発進させてみる。ティグアンRはとても運転がしやすい。コンフォート、スポーツ、レースというドライブ・モードに合わせて、幅広い性格付けの走りが楽しめる。
エンジンは滑らかに回転し、感心するほど柔軟性が高く、ダイナミックな走りを支えている。リラックスしたハーフスロットルから、ロケットダッシュの瞬発力まで、表情豊かだ。
パワー感もリニア。スポーツやレース・モードを選ぶと、トランスミッションは電光石火で変速をこなす。マニュアルモードでの変速も可能。ただし、ゴルフRエステートほどの激しさはない。車重が1746kgと重いことも、原因だろう。