【なぜ人気?】シトロエンが日本で好調 9月のインポートカー販売レポート 新型コロナウイルス
公開 : 2020.10.09 06:50 更新 : 2021.10.11 09:35
9月のインポートカーの登録台数ランキングです。今月も、前年と比べればマイナスですが、各メーカーは着実に復調しています。いち早くプラスに転じているのがシトロエン。なぜ人気なのか、その秘密を探ってみました。
9月 前年同月比87.2%まで回復
新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、制限付きだが以前の生活に戻りつつある。いわゆる「ウイズ・コロナ」モードに入って経済活動は復旧傾向にあり、街や観光地にも人が戻り始めてきた。
こうした流れから9月の海外メーカーの新規登録台数は3万1327台を数え、前年同月比で87.2%を記録(JAIA調べ、速報値)。前月より2.9%盛り返して復調傾向がはっきり見えてきた。
日本車の販売も前月を上回る傾向にあり、コロナ禍により移動時に密を避けられるクルマの存在がこれまで以上に注目されて、販売に繋がっているようだ。
9月はほとんどのメーカーが前年割れという結果に留まったが、その中で大きく登録台数を伸ばし、通年でもプラスに転じた量販車メーカーがある。
そう、シトロエンが他メーカーに先がけて盛り返していたのだ。
シトロエン 好調のワケは?
9月のシトロエンは565台を販売し、前年同月比で115.8%を記録すると共に、1月からの累計台数でも104.5%と絶好調なのである。
それも今月だけの好結果ではなく、1月の前年同月比142.3%を皮切りに快進撃を続け、コロナの影響で社会が止まった5~8月以外は前年超えを達成しているのだ。
なお、1月から9月の累計台数で前年同期を上回ったのは、シトロエンのほかはポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、ロータスというスポーツカー・メーカーだけだった。
好調さの要因を日本法人は「シトロエン全体が評価されて売れていることに加え、(コンパクトカーの)C3限定モデルのコンスタントなリリースとC3エアクロスSUVの特別仕様車が好評」と説明。
このほかに、「シトロエンの展示イベントを各地で開催することにより、つねに話題を提供して存在感を高めたことが結果として現れた」と、複合施設などで実施した活動の成果に注目した。
そしてニューモデル効果も見逃せないポイントだ。
「昨年秋に予約開始したベルランゴの限定車、デビュー・エディションの登録が今年に入ってから行われて上積みされた。9月からは、そのカタログモデルの登録が始まったことも台数を伸ばした要因」と分析する。
9月のトップ10 回復基調がつづく
今月もメルセデス・ベンツが圧倒的な強さを見せた。前月に比べて1.7倍となる7075台(前年同月比89.2%)で首位を堅持。
これにより67か月連続首位の記録を更新している。
7月に追加されたGLBとフル・モデルチェンジされたGLAの好調なセールスが、台数を上積みした。第3四半期のモデル別ランキングでも、GLBが13位、GLAが18位にジャンプアップしたことからも分かる。
2位にはフォルクスワーゲンが4899台(82.5%)で続き、3位はBMWで4233台が登録された。ただ、トップ5の他のメーカーが前年同月比で80%以上を達成しているのに対し、BMWは78.7%と回復が遅れている。
4位のアウディは、3026台を記録して前年同月比98.2%を記録。5位にはBMWミニが入り、2453台と前月より下落して87.5%に留まった。
6位にボルボが1504台(同80.5%)、7位はジープが1824台(同91.8%)、8位にプジョーが1011台(同87.1%)で続く。
9位は、いまや量販メーカーといえるポルシェが932台(同102.8%)で9月の登録台数として過去最高を記録。10位にはルノーが733台(同109.2%)で続いた。
この結果を見ると積極的な展開をしてきたメーカーが、着実に結果を残していることが見えてくる。ウイズ・コロナ時代になっても、カスタマーを満足させる価値のあるクルマは、ちゃんと評価されることを物語っている。