【アレクサも搭載】アマゾン、EVの配送バンを発表 2021年サービス開始 新興企業リビアンが開発
公開 : 2020.10.12 12:01
アマゾンは荷物の配送に使用する電動バンを発表しました。EV新興企業リビアンが開発した車両で、安全性や機能性を重視しています。2022年までに1万台を稼働させ、環境に配慮した物流を目指しています。
都市部の配送に最適化
流通大手アマゾンは、EVスタートアップのリビアンが開発した初の電動バンを発表した。
アマゾンは昨年、米カリフォルニア州のリビアンと2030年までに10万台の電動配達車を供給する契約を結んだ。その1台目がアマゾンに納車され、来年にはサービスを開始する。2022年までに1万台の稼働が目標だ。
アマゾンによると、このバンは同社が契約した3モデルのうちの1台だという。同社の車両管理責任者であるロス・レイシーは、次のように述べている。
「このバンは、他のどんな配送車両をも凌駕する必要がありました。わたし達は、ドライバーに愛されるような車両を作りたかったのです」
リビアンのトップであるR.J.スカーリンジは、「わたし達は安全性と機能性を優先し、荷物の配送に最適な車両を作りました」と語った。
バンには360度カメラやセンサーなどの安全機能や、高速道路用の運転支援機能などが搭載されている。
車載システムはアマゾンのアレクサに対応し、ハンズフリーでの操作が可能だ。デジタルメーターのほか、ドライバーの方を向いた大型ディスプレイを備えている。
公式画像によると、インテリアのスイッチ類は最小限に抑えられているようで、ステアリングホイールにしか見られない。
荷物の配送に最適化するため、機能性を重視して設計されている。リアの貨物スペースに3段の棚が備わり、フロントキャビンからバルクヘッドドアを通ってアクセスできる。
キャビンには大きな「ダンスフロア」が設けられるなど、ドライバーが動きやすいよう配慮されている。航続距離や性能などの詳細は明らかにされていないが、都市部での短距離配送を想定している。
物流の水準を引き上げる
ロス・レイシーによると、アマゾンは電動バンの運用をサポートするために充電インフラなどの整備にも取り組んでいるという。また、電動バンの導入により、持続可能な輸送手段に注目している業界に「切迫感をもたらす」ことを期待していると語った。
当初は米国で使用される可能性が高いが、アマゾンは今年、欧州で1800台の電動配達車を購入し、一部の都市では電動バイクによる配送も開始している。また、2025年までにインドで1万台のEVを導入するという契約も結んでいる。
アマゾンは以前、リビアンの5億4400万ポンド(734億円)の資金調達の一環として、3億5000万ポンド(472億円)を投資した。
独自の電動配達車の開発に投資しているのはアマゾンだけではない。今年初め、物流大手UPSは、英国のEVスタートアップであるアライバルに1万台の電動配達車を発注した。