【純EVの悪路性能を追求】メルセデス・ベンツEQC 4×4² コンセプト 試作車へ試乗
公開 : 2020.10.22 10:20 更新 : 2021.04.27 07:06
徹底的なオフロード用モディファイが施された、純EVのSUVが、EQC 4×4² コンセプト。新しいサブブランド「G」へも通じる、走破性を追求した技術も搭載するといいます。1台限りのプロトタイプへ試乗しました。
電気自動車のオフロード性能を追求
メルセデス・ベンツは、成長を続ける純EVモデルの1つとして、ハードコアな四輪駆動マシン、EQC 4×4 2(フォーバイフォー・スクエアード)コンセプトを発表した。電気自動車のオフロード性能を追求するために生まれた、ワンオフ・モデルとなっている。
ベース車は、メルセデス・ベンツ製の純EV SUV、EQC 400 4マティック。ツインモーターで、システム総合での最高出力は413ps、最大トルクは77.5kg-mを発生する。このEQC 4×4 2は、ドライブトレインをそのまま引き継いだ、実働モデルだ。
メルセデス・ベンツは、高性能なAMGや高級なマイバッハに並ぶ位置づけとして、「G」というサブブランドを発表している。このEQC 4×4 2には、そのサブブランドの次期モデルに搭載される、技術的な要素も盛り込まれているという。
このGのサブブランドには、Gクラスの純EV版もランナップされる予定。過酷なオフロード走行を楽しみたい、冒険好きなオーナーの要望にも応えるという。
このEQC 4×4 2 コンセプトを手掛けたのは、エンジニアのユルゲン・エベルレが率いるメルセデス・ベンツの開発チーム。2015年に限定発売されたオフローダーのG 500 4×4 2や、Eクラス・オールテレーン4×4 2の開発にも携わった人物たちだ。
今回は、1台限りのメルセデス・ベンツEQC 4×4 2 コンセプトを、実際に運転する機会を得た。
全幅は200mm、地上高は153mm増し
「電気自動車へのシフトは強まる一方ですが、従来的なオフローダーに対する人気は高いままです。わたしたちが目指したのは、その2つの長所を組み合わせたクルマを生み出すことでした」
「純EVでありつつ、シリアスなオフロード走行を達成できるモデルです」。開発者のエベルレが説明する。
EQC 4×4 2 コンセプトは、アスファルトから遠く離れた荒野に対応するため、オリジナルのマルチリンク式サスペンションを重点的に改造。ハブより低い位置にホイールが組める、ハブ・リダクションを装備したポータル・アクスルと呼ばれる構造へ変更し、最低地上高を引き上げている。
この手法は、過去のG 500 4×4 2などにも用いられたものだ。さらにトレッドを広げ、ホイールサイズは20インチへ拡大。タイヤサイズは285/50で、クーパー製のオフロード・パターンを履く。
外へ大きく張り出したタイヤを覆うため、プラスティック製のホイールアーチをボディに追加。ドイツの交通法規に準拠させている。
結果、標準のEQCより全幅は200mmも広がっている。たくましいオフローダーに相応しい、ワイルドなルックスを生んでいる。
エベルレの話では、最低地上高はEQCから153mm増しの293mm。標準のメルセデス・ベンツGクラスより、58mmも高い。渡河深度はEQCより150mm深く、400mmにまで対応するという。